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先日、休日にパソコンショップへ行って来ました。今まで intel 865/ICH5 の Chipset のマザーボードしか持っていませんでしたが、新しいボードが目にとまりました。今までは、新しいボードにすると今までのAGPカードもDDRメモリーも使えなくなるし、価格も25,000円程してマザーボード自体に大きな銅の放熱板が取り付けられていて、パソコン内部に熱がこもりそうで、こんな新製品の高級品を買ってパーツとの相性が悪かったらがっかりするから、もっと安くなって相性問題も少なくなって絶対に損をしなくなるまで待とうと思っていました。すると、放熱板もなく価格も1万3千円台になってきていて、あと1,000円追加すればボードにRAID機能まで付いている物を見つけました。もっと安くなる(1万円くらい)まで待とうと思いましたが、店を出ようとした時に、やっぱり買おう!って思いました。購入したのは GIGABYTE EP45-DS3R です。私にとっては、初めてのRAIDは言わば1,000円のRAIDです。

ついているRAID機能は、いったいどのくらいの性能で、どのくらい安定しているのだろう、何に役立つのだろう、といろいろ疑問が出てきました。今までは、RAIDカードの人気機種の価格は Adaptec などで数万円もしました。2ちゃんねるなどではせっかく買ったカードが i-RAM では使えなかったとか、玄人志向のRAIDカードなら i-RAM で使えたという書込みを見たり、高級品では80万円以上もしたりで、いくらパソコンが楽しいからといって簡単に試してみることができるものではありませんでした。マザーボードに付属しているRAID機能なら1,000円なので、これは、最初、私にとってはとっても楽しい「おもちゃ」だと思いましたが、実験してみたら最終的にこれは目を見張るような機能があることが判明しました。
i-RAM 3・4個のRAID i-RAM 5・6個のRAID ANS-9010のRAID(ICH10R) ANS-9010のRAID(Adaptec) 雑談 RAID(Areca) ANS-9010 & areca RAID(HighPoint) RAID(SiI3124) SSD 2〜6個のRAID JMF602 Mtron+OCZ Mtron+Seagate

基本的な性能を知るために、まず、みんなの使っているベンチマークテストソフトの最新版を集めました。そして、同じGIGABYTE社の intel 865/ICH5 の Chipset のマザーボード(GA-81865G775-G)に付いていたハードディスクをこのボードにつないでみたら、ドライバーを次々と読み込んでいって Windows XP が立ち上がってしまいました。OSをインストールする手間も省けて、あとはシステム用のドライバーとビデオカードのドライバーをインストールしたらデバイスマネージャーですべて完了状態。今までの環境を手間なく実験機に移行できて幸運でした。

使用した実験用パソコンのスペックは次の通りです。
 CPU: Core 2 Duo E8600 3.33GHz, 1333MHz FSB, 6MB L2 cache
 RAM: Samsung M378T5663RZ3-CF7 DDR2 PC6400 2GB × 2枚
 Northbridge: Intel P45
 Southbridge: Intel ICH10R
 Motherboard: GIGABYTE EP45-DS3R
 Boot HDD: HDS721616PLAT80 (Hitachi 7200rpm 160GB UltraATA133)
 GFX: GIGABYTE GeForce 7300GS (nVIDIA 7300GS)
 Powered by: GOURIKI-P-550A
 Power switch: AINEX KM-01
 OS: WinXP SP2


@まず最初に基礎データとして、このスペックでの性能を知るために Non-RAID で3種類のHDDをテストしてみました。
(以下の@ABCは非RAIDでの実験で、DEがRAIDでの実験です。)
最初はUltraATA133(133MB/sec)接続のHitachiの160GB7200rpmのHDD(HitachiHDS721616PLAT80)でテストです。



A次にSATAT1.5Gbps(150MB/sec)接続のHitachi500GB7200rpmのHDD(HitachiHDP725050GLA360)でテストしました。
やはりSATA接続はUltraATA133接続より読書速度が高速です。


B別のSATAのHDDでSATAU3Gbps(300MB/sec)にセットして、Seagate640GB7200rpmのHDD(ST3640323AS)でテストしてみました。

HDDの内部転送速度は70MB/secということで、これが律速段階となるので外部転送速度150MB/secのSATATと外部転送速度300MB/secのSATAUは実際の使用環境では差はあまりないようです。SATAUで相性が悪くならないようにメーカーでは初期の jumper pin の設定はSATATにしてあるとのことです。


各種 Bench mark test を5種類ずつ行いましたが、最初は、Non-RAID でテストしてみました。 Cで使用したハードディスクは@で使用した物と同じUltraATA133(133MB/sec)接続のHitachiの160GB7200rpmのHDD(HitachiHDS721616PLAT80)です。
C-1 CrystalDiskMark (Non-RAID, UltraATA133接続, HitachiHDS721616PLAT80)


C-2 HDBENCH (Non-RAID, UltraATA133接続, HitachiHDS721616PLAT80)


C-3 FDBENCH (Non-RAID, UltraATA133接続, HitachiHDS721616PLAT80)


C-4 HDTunePro 4MB file (Non-RAID, UltraATA133接続, HitachiHDS721616PLAT80)


C-5 HDTunePro 64MB file (Non-RAID, UltraATA133接続, HitachiHDS721616PLAT80)

HDDは小さなデータでは大きなデータに比べて処理速度の低下が大きいことがわかります。


次に、最新のハードディスク2台で SATAU3Gbps(300MB/sec) 接続にて「RAID 0」を構築し、読み書き速度の計測テストをしました。 Dで使用したハードディスクはBで使用した物と同じSATAU接続のSeagate640GB7200rpmのHDD(ST3640323AS)です。
D-1 CrystalDiskMark (RAID 0, SATAU接続, ST3640323AS)


D-2 HDBENCH (RAID 0, SATAU接続, ST3640323AS)


D-3 FDBENCH (RAID 0, SATAU接続, ST3640323AS)


D-4 HDTunePro 4MB file (RAID 0, SATAU接続, ST3640323AS)


D-5 HDTunePro 64MB file (RAID 0, SATAU接続, ST3640323AS)

大きなデータの処理では2台のHDDのRAIDで2倍の速さになるが、やはり、小さなデータの処理には時間がかかる。


ESSDとして2008年10月7日時点で発売中の中で最も高速な i-RAM (GC-RAMDISK)で「RAID 0」のテストをしてみました。メモリーは DDR PC3200 1GB を i-RAM 1台につき4枚使用し、メモリー総量は i-RAM 1台の合計が 4GB (i-RAM内部では non-RAID)で、 2台の i-RAM は「RAID 0」を構築し i-RAM 2台での合計が 8GB となるようにして SATAT1.5Gbps(150MB/sec)で接続しました。
E-1 CrystalDiskMark (RAID 0, SATAT接続, i-RAM)

E-2 HDBENCH (RAID 0, SATAT接続, i-RAM)


E-3 FDBENCH (RAID 0, SATAT接続, i-RAM)


E-4 HDTunePro 4MB file (RAID 0, SATAT接続, i-RAM)


E-5 HDTunePro 64MB file (RAID 0, SATAT接続, i-RAM)

i-RAMではデータのサイズが小さくても「RAID 0」にてハードディスクのように速度が低下したりせず安定していて、データのサイズが大きい場合には、ちゃんと非RAID時のほぼ2倍の速度が出ることがわかりました。

PC3200 DDR-400メモリーを使用した i-RAM を用いた RAID の実験では、CrystalDiskMark の Sequential の読書速度で、秋葉原で展示中のDDR2-667メモリーを使用した「ANS-9010」の80%程度の処理速度が得られ、4Kのデータではほぼ同等の結果が得られました。総計48万円の展示中「ANS-9010」に比べて、DDR PC3200 1GB のメモリーは1枚3000円台で購入できるようになっているので、最低なら32,000円ほどの低価格で i-RAM 2GB のRAID を組めば、この実験結果と同じ速度が得られ、かつ最新のSATAU3Gbps接続のHDDよりも高速であることもわかりました。
RAIDは設定を誤るとデータが消えそうで恐くて手を出さなかったのでしたが、マザーボード購入時1,000円アップで手にしたボード内蔵のRAID機能はとっても安定していて高性能でした。RAID初心者ですが、秋葉原で展示中のパソコン並の性能を簡単に手にすることができて驚きました。


◆ANS-9010 (DDR2-667, SATAU, RAID) と i-RAM (DDR-400, SATAT, RAID) の CrystalDiskMark の結果比較◆
 ANS-9010  i-RAM

◆SATAUのHDD (Seagate640GB7200rpm(ST3640323AS), SATAU, RAID) と i-RAM (DDR-400, SATAT, RAID) の CrystalDiskMark の結果比較◆
ST3640323AS i-RAM

こんなにおもしろいのなら、i-RAM の数を増やしてRAIDにしたらどんな速さになるのだろうと、さらに興味がわいてきました。i-RAM の数を増やしたRAIDに関心のある方は「NEXT」をクリックして、続きをご覧下さい。


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