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Adaptec RAID 5805 を用いた RAID 実験の続編 
− 各種設定条件を変更した追加実験と、その前に種々の雑談 −  


前ページで「ANS-9010 の Adaptec RAID 5805 を用いた RAID実験」を行いましたが、各種設定条件を変えて追加実験を行いました。@Aでは file system を NTFS にした場合の実験、Bでは stripe size を最小にした場合の実験、Cでは RAID controller card には体感速度および操作性向上のため DRAM cache が搭載されているが、これを完全に機能停止してみた場合の実験、最後にDで、P45の近位の PCIe x16 slot に install してあった RAID controller card を P45の遠位の PCIe x8 slot に install した場合の benches を測定実験を行ってみた。

まず最初は本タイトルからはずれた雑談からです。
今回は file system を NTFS にした場合についても実験を行うが、PC の性能を調べる実験上 NTFS には問題がある。
「NTFS」とだけ表記されても実際は知られているだけで versionが5つ あり、Microsoft はその詳細仕様を公表していない。 Cluster (allocation unit) size もサイズを指定することも可能であるが、「既定値」として自動で決めることも多い。(「既定値」はたぶん4KB)
自動で決める場合の法則については Microsoft は公表しているので、ちゃんと調べればわかるかもしれないが、format するときにサイズが表示されるわけではない。

NTFS には現時点で5種類あるとされていて cluster size に 512bytes から64KBまで8種類あるので30〜40通りのNTFSが1つの「NTFS」の表示の元に存在することになる。それでは実験上の細かい差を発見できないので、実験では third party のソフトを用いて、同一条件下で FAT32 で format した。
(注: 一般的に cluster size は小さいほどディスク領域の無駄はなくなるが、ファイルが断片化して処理に時間がかかる。)

ちなみに、私はファイルの書き換えの激しいOS用の system drive は、1つ1つのファイルの書き込みまで transaction log を記録する journaling file system のついた NTFS で format し、 removable media と external HDD は Mac や Linux server など他のパソコンとの互換性と実効転送速度を重視して FAT32 ( or FAT16/FAT12) で format し、Blu-ray や ISDB のデータはファイルサイズが大きくて NTFS しか選択肢がないので NTFS で format している。
ただし、最大容量が4GBしかない i-RAM だけは、インストール時に比較検討して、よりOSを小さくすることのできた FAT32 にしてある。「システムの復元」を無効にしてあっても「System volume information」の大領域がどこかのドライブに作成されるが、これがNTFSのドライブに優先的に作成されるのでFAT32のOSの容量が肥大化しないのではないかと想像している。

私は今でも経理のパソコンは Windows NT を用いている。データを失うととても困るのでインターネットやLANとは分離してある。私は幸運にも大丈夫であったが、大切なことを知らずに(= Microsoft から知らされず)にデータを失った方もいらっしゃると思う。
Windows NT の NTFS を Windows 2000 に接続して、その後、元の Windows NT からはこのドライブにアクセスできなくなった方や、Windows 2000 の NTFS を Windows XP に接続して、Windows XP からはこのドライブにアクセスできなかった方がいます。新しいバージョンのOSが、接続したドライブの NTFS を新バージョンの NTFS に持ち主に無断で書き換えるからである。(所有権の侵害!)
このため NT が abbreviation であるとすれば、その語原は New Technology であるという説と No Technology であるという説がある。 w

間違ったことを書いたら困ると思って、たまたま訪ねてきた取引先の会社の担当者に上と同じようなことがあったか聞いてみた。まさしく、同じ問題でその会社もデータを失ったそうである。orz それは、Windows NT で構築した LAN のネットワークに、新しい Windows 2000 を接続してみたときに発生したそうである。それまで問題のなかった Windows NT でデータが見れなくなってしまいました。そしてその会社は社内のPCを全部 Windows 2000 に変えてデータにアクセス可能にして、その後新しい Windows の接続を禁止したため、社内のPCは今でも Windows 2000 のままなのだそうである。

今ではこのような場合の対処方法として Microsoft は新しい service pack を使用することをサポートで推奨しているが、このサイトの最終更新日は 2003年8月21日(2008年1月25日閲覧時点)となっており2000年にこの情報がなければ service pack 間の問題ではなく、OS間の問題ということになり、問題点がOS間にある場合は新しいOSが必要になる。
ちなみに、Service pack の upgrade は無償であるが、OSの upgrade は有償である。

OSの upgrade をしてデータを回復することができたとしても、今度は新OS非対応で動かなくなるプログラムが出てくるので、今度はソフトの「お買い上げ」をせまられる。経理専門会社の専用ソフトは100万円もする!
(CIRCULUS VITIOSUS!)

NTFS の「version up」は新しい OS に IDE/SATA/USBケーブルや LAN で接続してアクセスしただけで、ドライブの持ち主には無断で行われているので注意が必要です!
今後、Microsoft は名前が同じで中身が違う新しい「NTFS」を作るとも言っていないし作らないとも言っていないので、NTFSで保存したデータは、ずっと読みとれると保証されているわけではないし保証されていないわけでもない。
Windows Vista に接続したドライブは、幸い今のところ Windows XP でちゃんと認識できている。
(人柱! 誰か大切なNTFSのデータを Windows 7 に接続してみてください! → 2009年4月18日 Windows 7 RC1 Build 7077 を使って自分で人柱を行ってみましたが、この RC1 に関しては WinXP の NTFS のデータは壊れませんでしたのでご安心下さい。それにしても Windows 7 は Vista と違って速いですね〜ぇ! ANS-9010に1ポートでインストールする時間も正味10分40秒でした。M/Bの BIOS 終了後、1ポートのANS-9010でデスクトップの表示まで12秒でマウスポインターの右上の円形の表示が消えて矢印になるまで15秒でした。Ubuntuよりスゴイかな? Acronis True Image 11 Home でバックアップをとって SSD に復元することもできるし、IE8 も高速で Win7 はとても気に入りました!!)

実は、IE6 も Windows update で IE7 にしてしまう計画も Windows Vista 発売の頃よりあったが、ANS-9010 の発売のように遅れに遅れ、最終的に2008年秋頃より、無断ではなくてちゃんとその意志があるか持ち主に確認してから「upgrade」することになって無断でされるよりはよかったが、Vista に upgrade して IE7 になっている人は IE6 には戻せません。そういった方はもっと高速な他のブラウザーに乗り換えるしかないでしょう。 ( Google ChromeFirefox3 )

同様のことは Blu-ray の書き込みドライブや BDレコーダーの AACS でも、mediaからdrive、driveからmedia間で virus のように行われているので、みなさん注意しましょう。人の所有物を無断で改変されるのが不快なことから、マニアの間では AACS 「V8感染」・「V9感染」と言われています。

2番目の雑談です。
今、友人から Linux Ubuntu の 3Dデスクトップの動画が送られてきました。(2009年1月25日)
Vista より更に立体的で感激しました。基本プログラムの install も GUI でできたそうです。
Ubuntuの3Dデスクトップ」←いただいた動画はクリックでご覧いただけます。
医療法人杉原整形外科クリニックの 杉原 信 理事長様から掲載のご許可をいただきました。
彼に教えていただいた論語に「子曰、知之者不如好之者、好之者不如樂之者。」というのがありますが、彼はLinuxを「楽之者」としてあやつり、「PCについて」のページで、私一人で実験するよりも検証してくれる人がいた方がいいとな思って、お願いしたらBlu-rayの再生もオーバークロックPCを使って再検してくれました。
無料の Ubuntu はこんなに高性能だし、Windows 7 のβ版も出て RC1 も leak しているし、もう Vista は退役かな?
(私のサイトの閲覧比率では、多いときに Vista は20%程使われていたが、最近では5%程度である。その代わり Windows 7 が10%もあり驚きです。)

Vista で遊んでいた頃、ありがたかったことが2つあります。
1つは、Vista ではデフォルトで UDF2.0や UDF2.5を取り扱うことができるので、Blu-ray や ISDB のデータにアクセスすることができて、Blu-ray 初心者の頃には大変助かりました。でも Vista は巨大ファイルのコピーがとても遅かった。その後、ファイルのコピー速度が向上したという Vista SP1 が出て試していたら、今度は blue back screen のエラー画面!
アリエナーイ!
こんなのは Windows 95 以来長らくお目にかかっていない。
「貞子」に久々にお目にかかった。恐くなって Windows XP に「upgrade」してしまいました。
UDF2.0/2.5問題はドライバーを見つけて解決しました。

Windows Vista に感謝する点がもう1つあります。それは、 backup の方法が XPより注意が必要になった点です。MBRに書かれた情報と実際の partition の情報が一致しないと OSが起動しなくなりました。問題点に気付いて、Vista を backup/restore できるようになったおかげで、ANS-9010 購入後も RAID 内に install した OS の backup/restore をしたり、他の SSDや HDDの RAID内に restore したりできるようになって助かりました。Restore 時間は ANS-9010 の場合は1分少々ですみ、CFカードは backup/restore 時間を計るために1度使ってみただけです。


さて、話をタイトルの実験に戻すことにします。

使用した実験用パソコンのスペックは次の通りです。
 CPU: Core 2 Duo E8600 3.33GHz, 1333MHz FSB, 6MB L2 cache
 RAM: Samsung M378T5663RZ3-CF7 DDR2 PC6400 2GB × 2枚
 Northbridge: Intel P45
 Southbridge: Intel ICH10R
 M/B: GIGABYTE EP45-DS3R
 Boot HDD: HDS721616PLAT80 (Hitachi 7200rpm 160GB UltraATA133)
 GFX: GIGABYTE GeForce 7300GS (nVIDIA 7300GS)
 Powered by: GOURIKI-P-550A
 OS: WinXP SP1



@前ページの続きの実験として、RAID 0 の stripe size は1024KBのまま、3種類のNTFSで 4台8ポートの ANS-9010 を format して、benchmarks をとってみました。Allocation unit size を @a 512 bytes・@b 64KB・@c 「規定値」としました。
@a 512 @b 64K @c 規定値

@ 定説通り、cluster が小さいほど転送速度は低速でした。Sequential Read についてはややはずれていますが、「@c 規定値」の Write のデータは概ね「@a 512 bytes」と「@b 64KB」の間に入っているので、「規定値」は 512 bytes と 64KB の間の値と推定されます。ANS-9010 では JMF602搭載のSSD と違って FAT32 よりも NTFS の方がやや高速で、最大 Sequential read の値が最高で 1.059GB/sとなりました。


A今度は、RAID 0 の stripe size を 4KBにしてみようと思いましたが、Adaptec RAID 5805 では、最小が 16KBだったので、最小の16KBに設定してストライピングを行い、また同様に、3種類のNTFSで 4台8ポートの ANS-9010 を format して、benches をとってみました。Allocation unit size を @a 512 bytes・@b 64KB・@c 「規定値」としました。
Aa 512 Ab 64K Ac 規定値

A Stripe size を小さくすると、Ac「規定値」の場合で、Sequential read が 437.3MB/s、Sequential write が 414.5MB/sと低下し、逆に Random read 4KB が 28.74MB/s、Random write 4KB 60.15MB/sがと向上した。


BFAT32 16KB stripe では、このようになりました。@の場合と同様 ANS-9010 では FAT32 の方が NTFS よりもやや低速でした。
B FAT32 16KB stripe


CRAID controller card には体感速度および操作性向上のため DRAM cache が搭載されているが、これを完全に機能停止してみました。FAT32 で format し、Read and Write cache disabled です。
C Both cache disabled

C 2個の RAID より遅いので read and write cash を共に disabled にして使うのは実用的ではありませんでした。
キャッシュがオフでも速いのはRocketRAID 3520で、Blu-rayなどの大きなファイルを扱うときは RocketRAID 3520 が高速なようなので、これを購入して実験してみることにしました。(結果はこちらです。)


D最後に、P45の近位の PCIe x16 slot に install してあった RAID controller card を P45の遠位の PCIe x8 slot に install した場合の benches を測定してみました。
D FAT32 1MB stripe

D RAID controller card を install する場所を変えてみましたが、arecaのページの一番下のブロック図のように PCIe x16 slot と PCIe x8 slot の2つのスロットは、どちらも chipset の northbridge である P45 に直接接続されているので、ほぼ同じようなデータとなりましたが、P45より遠位の PCIe x8 の方が、わずかに低速な程度でした。