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ANS-9010 と Areca ARC-1231ML を用いたベンチマークテスト結果  


Areca ARC-1231MLを用いてANS-9010でRAIDを組もうとすると、RAIDコントローラー・カードのBIOSでドライブとその容量をちゃんと正しく認識しているのに、arrayを組む際にドライブの容量だけが0MBになって認識されてしまってarrayを構築できないことがあります。Areca ARC-1231MLの Firmware version v1.46 では BIOSでの設定項目の1つ「Capacity Truncation」がデフォルトでは「Multiples of 10G」になっていて、ANS-9010に搭載したメモリーがこのtruncationの最低単位の10GBより小さい時に起こってしまう問題でした。「Capacity Truncation」の設定を「Multiples of 1G」もしくは「No Truncation」にすることによって、arrayを組む際にドライブの容量を「Multiples of 1G」の場合は1GBの整数倍、「No Truncation」の場合は搭載した容量を正常に認識して、Areca ARC-1231MLを用いてANS-9010でRAIDを組むことができることがわかったので、ANS-90104台8ポートでRAID側は Min SAS 4i Connector (SFF-8087) 2個分と、ANS-90106台12ポートでRAID側は Min SAS 4i Connector (SFF-8087) 3個分でのRAID実験を行ってみました。(2009年4月15日)

このテストの@〜Cの実験で使用したパソコンのスペックは次の通りです。
 CPU: Core 2 Duo E8600 @3.33GHz, 1333MHz FSB, 6MB L2 cache
 RAM: Samsung M378T5663RZ3-CF7 DDR2 PC6400 2GB × 2枚
 Northbridge: Intel P45
 Southbridge: Intel ICH10R
 Motherboard: GIGABYTE EP45-DS3R
 Boot HDD: HDS721616PLAT80 (Hitachi 7200rpm 160GB UltraATA133)
 GFX: GIGABYTE GeForce 7300GS (nVIDIA 7300GS)
 Powered by: GOURIKI-P-550A
 OS: WinXP SP1


@最初にANS-9010 4台 8ポートで 2GBの cache を搭載した Areca ARC-1231ML を用いて RAID 0 ストライピングを行い、CrystalDiskMark の 100MB と 1000MB でベンチマークの測定を行いました。Stripe size は 128KBを選択し、array の volume は FAT32 で format しました。

@a 100MB @b 1000MB

@前ページの結果でわかるとおり、Sequential Read は 2GBの cache を搭載した Areca ARC-1231ML では HDD 2台でも 1.5GB/s を越えることはできるが、Sequential Write はドライブの性能自体が良くないと向上せず、ANS-9010 4台 8ポートを用いた場合には CrystalDiskMark 1000MBテストで 996.7MB/sにも達した。今まで各種 RAIDカードで行った実験のうちで最高値である。

A次に、ANS-9010 6台 12ポートで 2GBの cache を搭載した Areca ARC-1231ML を用いて RAID 0 ストライピングを行い、CrystalDiskMark の 100MB と 1000MB でベンチマークの測定を行いました。 @と同様、Stripe size は 128KB、array の volume の format は FAT32 です。

Aa 100MB Ab 1000MB

AANS-9010 4台 8ポートを ANS-9010 6台 12ポートにしても、ほとんど改善がなかった。CrystalDiskMark 1000MBテストで Sequential Write は 986.7MB/sへと 10MB/s低下した。
ANS-9010 4台で Areca ARC-1231ML の処理能力の限界に達したと考えられる。

B上記の@Aと同様のテストを、Stripe size 4KB で format は NTFS として行ってみた。最初は ANS-9010 4台 8ポートの結果である。

Ba 100MB Bb 1000MB

BStripe size 4KB・NTFS format のベンチ結果は、上記@の Stripe size 128KB・FAT32 format の場合とほとんど同じであった。CrystalDiskMark 1000MBテストで 991.6MB/s と 5MB/s低下したものの、4KBの Random は Read・Write共に 2MB/s以下の差で誤差範囲内であった。

CANS-9010 6台 12ポートで Stripe size が 4KB format は NTFS とした。

Ca 100MB Cb 1000MB

C上記Aの場合と同様、ANS-9010 4台 8ポートを ANS-9010 6台 12ポートにしても、ほとんど改善がなかった。CrystalDiskMark 1000MBテストで Sequential Write は 983.2MB/sへと 8.4MB/s低下した。
Stripe size 4KB・NTFS format の実験でも同様に、ANS-9010 4台で Areca ARC-1231ML の処理能力の限界に達したと考えられる。

Dオーバークロックによりベンチ結果が改善するか知りたかったので、CPU( Core 2 Duo E8600 @3.33GHz)をクロックアップして、4.32GHz(432MHz×10) としてみた。
Format は NTFS、stripe size は 128KBと 4KBとで実験してみた。
ANS-9010 4台 8ポートと 6台 12ポートの結果を比較すると、4台 8ポートの方が速かったので 4台 8ポートの結果のみお示しします。

Da 128KB Db 4KB

D4KB Random Read はオーバークロック前に160MB/s台であったものが180MB/s台になり、4KB Random Write はオーバークロック前に130MB/s台であったものが140MB/s台になった。
オーバークロックによって Gavotte Ramdisk のような劇的なベンチ結果の改善はなかったが、それなりに向上した。
Stripe size 128KBの方が stripe size 4KBより Random 4KB を含めてすべての項目で高速であり、Sequential Write は初めて 1000MB/sに達した。


HDDやSSDとAreca ARC-1231MLを用いた実験結果については、下のPREVIOUSをクリックして前ページをご覧下さい。

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