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i - R A M の R A I D 実 験 (part 1)
ACARD製の「ANS-9010」は、内部で2組の DDR2 SDRAM を用いて、読出338MB/s・書込280MB/s とすばらしい性能である。
一方、古い「i-RAM」があったので、私の実験用パソコンで測定したところ、単体のGIGABYTE製「i-RAM」は、読出137MB/s・書込129MB/s であった。
「ANS-9010」は オンライン価格が US$399.00 で、日本で一番最初に本発売されたドスパラ秋葉原本店での価格は49,800円である。ドスパラ秋葉原本店にて2008年10月31日突然発売となり11時に開店して5台入荷したが12時30分には完売したそうである。RAMディスクマニアという久保勇さんが使用体験レポートを書いていらっしゃるので買われた一人であろう。(うらやましい!)
金沢のドスパラに聞いてみたら「予約は受付していない。」と言われて、寂しかったです。
一方、「i-RAM」はアメリカの Amazon では US$124.64 で、現在も販売中である。2008年10月15日になって、「ANS-9010」の下位モデルにあたる製品で「ANS-9010B」も発表された。これは、メモリスロット数が6(最大48GB)、SATAUポートが1つ、ECC DDR2 400/533/667/800MHzメモリーの対応という仕様で US$249.00 での発売予定である。一方「i-RAM」はメモリスロット数が4(最大4GB)、SATATポートが1つ、Non-ECC DDR 200/266/333/400MHzメモリー対応と古い仕様である。
価格差だけの関心のみならず、アメリカの Amazon の i-RAM の「Customer Reviews」にあるとおり、i-RAM が SATAU(3Gbps)であればいいとか、DDR2 が望ましいという意見も多く、みなさんも当然そう思われるでしょう。そこで現在「ANS-9010B」の半額で発売中の SATAT(1.5Gbps)で PC3200 で DDR400 までしか使えない「i-RAM」を、「ANS-9010B」と比べてみたくなり、さらに、GIGABYTEのオンボードRAIDでどこまでスピードを上げられるかも知りたくなって、2枚組の「RAID 0」からスタートして、順にRAIDを組む枚数を増やして、何枚まで大丈夫で、どのくらいの速さになるかを実際に調べてみました。「i-RAM」1個と2個の実験については、「ANS-9010B」と「i-RAM」の性能差を知るだけでなく、間接的に ECC DDR2 400/533/667/800MHzメモリー と Non-ECC DDR 200/266/333/400MHzメモリー の性能差を知ることができると思ったので、興味深いと思いました。後でわかったことですが、メモリー の性能差については、律速段階(bottleneck)が SATAポートにあるとわかったので、結果的には「メモリー の性能差」については、この実験ではわかりませんでした。
RAID は Adaptec の高級品ではなく、GIGABYTEのマザーボード「EP45-DS3R」搭載の「ICH10R」を用いた。このボードは RAID機能のない「EP45-DS3」より1,000円高いだけで購入できた。
使用した実験用パソコンのスペックは次の通りです。
CPU: Core 2 Duo E8600 3.33GHz, 1333MHz FSB, 6MB L2 cache
RAM: Samsung M378T5663RZ3-CF7 DDR2 PC6400 2GB × 2枚
Northbridge: Intel P45
Southbridge: Intel ICH10R
Motherboard: GIGABYTE EP45-DS3R
Boot HDD: HDS721616PLAT80 (Hitachi 7200rpm 160GB UltraATA133)
i-RAM Format: FAT 32
Graphics: GIGABYTE GeForce 7300GS (nVIDIA 7300GS)
Powered by: GOURIKI-P-550A
Power switch: AINEX KM-01
OS: WinXP SP2
まず最初に、秋葉原で展示されている「ANS-9010B」の CrystalDiskMark ベンチマークテストの結果と自分の実験用パソコンでの「i-RAM」単体での CrystalDiskMark ベンチマークテストの結果を2つ並べて比較してみる。
ANS-9010B 1個 i-RAM 1個
Readで1.36倍、Writeで1.18倍の性能の差がある。これは ECC DDR2 400/533/667/800MHzメモリー と Non-ECC DDR 200/266/333/400MHzメモリー の性能差と初め考えたが、いろいろ実験していくうちに、 SATAT(1.5Gbps)ポートと SATAU(3Gbps)ポートの違いによるものだと後でわかった。
次に、秋葉原で展示されている「ANS-9010」の CrystalDiskMark ベンチマークテストの結果と自分の実験用パソコンでの「i-RAM」2個を RAID 0 にして CrystalDiskMark ベンチマークテストの結果を2つ並べて比較してみた。
「ANS-9010」は「ANS-9010B」に相当する物を内部で2個 RAID 0 にしてあるので、2個の「i-RAM」の RAID 0 と同条件である。
ANS-9010 1個 i-RAM 2個
Readで1.31倍、Writeで1.15倍の性能の差で RAID を組んでも性能の差は同程度であった。
i-RAM 3個・4個と順にRAIDを組む個数を増やしていった。
i-RAM 3個 i-RAM 4個
「i-RAM」3個の RAID 0 ストライプで「ANS-9010」と並び、4個の RAID 0 ストライプで「ANS-9010」を凌駕した。
「ANS-9010」1個の価格(US$399.00)で「i-RAM」を約4個(US$124.64)購入可能で、秋葉原の展示品の「ANS-9010」には1個数万円の最新の 667MHzのECCのDDR2 が何枚も入っているが、「i-RAM」には1個3,500円の 400MHzのNonECCのDDR を1枚入れて、それを4つ集めればこの性能を得ることができる。「i-RAM」4個をマザーボードに直接付けただけのRAIDで CrystalDiskMark によるベンチマークテストにて Read503MB/s Write476MB/s を達成して「ANS-9010」より高速であることが確認され、古い安い物を集めて未発売の新製品より速かったので満足しました。(*^_^*)v
(安い部品を集めて高性能になるRAIDが大好きになりました。)
5インチベイ用ではない古い i-RAM は PCIカードスロットからしか電源がとれないので、実験はパソコンのボード3枚(写真の2枚が上で1枚が下のパソコンケース内)を近づけて行いました。今回は写真のように別のボードのPCIスロットから i-RAM の電源をとりましたが、台湾で発売されている5インチベイ用 i-RAM BOX が2個手に入れば、この性能のマシーンが1台のパソコンケースに収まることになります。グラフィック処理などに便利な高速パソコンが期待されます。またIEのキャッシュの書き込みも速く、Web閲覧はインターネットとの接続速度に左右されるのはもちろんですが、i-RAM RAID ではさらに高速となり、IEでも Firefox 3 並の体感速度なので、最近Webを見る際は、使い慣れたIEでも快適な実験用の i-RAM RAID 0 マシーンの電源スイッチばかり押してしまいます。
i-RAM4個で RAID 0 ストライプを組んで、i-RAM 1枚にメモリーを1GB 1枚入れて合計4GBとした場合と、i-RAM4個で RAID 0 ストライプを組んで、i-RAM 1枚にメモリーを4GB 1枚入れて合計16GBとした場合とでは、速度に大きな差はありませんでした。ストライプサイズはBIOS設定するときに RAID 0 で推奨されていた128KBを用いました。これは大きい方が速度が上がるそうですが、ボード付属のRAID機能では、設定を128KBより大きくすることはできませんでした。
左下の flash movie は BIOS の画面で i-RAM disk が 4個とも RAIDとして正常(Normal)に認識されたところを示しています。右下の flash movie は 1.43GBのデータを i-RAM の RAID のドライブ上で 同じドライブに COPY & PASTE しているところです。
(左のmovie用 mp4・wmv・3gp携帯電話用 / 右のmovie用 mp4・wmv・3gp携帯電話用)
以下は、他の各種ベンチマークテストの結果の一覧です。i-RAM3個のRAIDでの結果と、i-RAM4個のRAIDでの結果を載せておきます。ネット閲覧の方はすぐに次のサイトに移られる方が多いので、i-RAM4個のRAIDでの結果から先にお示しします。
@-1 CrystalDiskMark (i-RAM 4個の RAID 0、stripe size 128KB、i-RAM内には4GBのメモリーを入れ合計で16GB)
@-2 HDBENCH (i-RAM 4個の RAID 0、stripe size 128KB、i-RAM内には4GBのメモリーを入れ合計で16GB)
@-3 FDBENCH (i-RAM 4個の RAID 0、stripe size 128KB、i-RAM内には4GBのメモリーを入れ合計で16GB)
@-4 HDTunePro 4MB file (i-RAM 4個の RAID 0、stripe size 128KB、i-RAM内には4GBのメモリーを入れ合計で16GB)
@-5 HDTunePro 64MB file (i-RAM 4個の RAID 0、stripe size 128KB、i-RAM内には4GBのメモリーを入れ合計で16GB)
A-1 CrystalDiskMark (i-RAM 3個の RAID 0、stripe size 128KB、i-RAM内には1GBのメモリーを入れ合計で3GB)
A-2 HDBENCH (i-RAM 3個の RAID 0、stripe size 128KB、i-RAM内には1GBのメモリーを入れ合計で3GB)
A-3 FDBENCH (i-RAM 3個の RAID 0、stripe size 128KB、i-RAM内には1GBのメモリーを入れ合計で3GB)
A-4 HDTunePro 4MB file (i-RAM 3個の RAID 0、stripe size 128KB、i-RAM内には1GBのメモリーを入れ合計で3GB)
A-5 HDTunePro 64MB file (i-RAM 3個の RAID 0、stripe size 128KB、i-RAM内には1GBのメモリーを入れ合計で3GB)
i-RAM 4個で CrystalDiskMark によるベンチマークテストにて Read503MB/s Write476MB/s が出たが、5個・6個で RAID を組むと、どこまで速くできるのだろう? また、さらに興味がわいてきました。
i-RAM 5個・6個で RAID を組んだらどうなるのか関心のある方は「NEXT」をクリックして、続きをご覧下さい。
(ANS-9010がなかなか発売にならなくて、ANS-9010なんかなくてもいいというやせ我慢でこのi-RAMのサイトを作りましたが、2008年12月28日、ANS-9010のサイトも作りました。基礎的実験・ICH10RでのRAID・AdaptecでのRAID はそれぞれのリンクをクリック)