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SSD の速度低下に対する Diskeeper HyperFast, SSD革命, Petite Freeze Buster, TurboSSD, Mach-Drive の使用 


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§1. SSD と Diskeeper HyperFast

2009年6月12日、 Diskeeper 2009HyperFast という機能が追加となって発売された。
HyperFast は Windows上のSSD専用に設計された空きスペースの最適化を自動的に行える機能で、Win7 に搭載予定の TRIM 機能や、OCZ Vertex の TRIM tool や Intel X25-M の 045C8820 の速度自動回復機能と同様の機能を、現在使っているOSにてOS段階で利用できるようにしたもので、速度低下したSSDの速度回復ができると期待される。

本来はOSの構造とSSDのドライブの内部構造自体は別問題であるが、OS上で空き領域が散在しているとドライブ内の空き領域の散在につながるので、まずOSの空き領域の連続性を保つことはSSDの速度低下防止に重要なことである。
しかし、この方法もSSDが劣化してきて不良セルが増大して wear levelling が行われてくると意義が低下してくることは疑いないが、少なくともセルの劣化の少ない段階のSSDにとってはとても有効な手段であると思う。

Diskeeper ではドライブがSSDかどうか認識して、HDDとSSDでの管理のしかたを根本的に見直したようである。
2009年6月12日にダウンロードして、2009年6月14日の日曜日に早速インストールしてベンチマークの測定をしてみました。
まず、Diskeeperの user interface は、HDDの場合には、下の画像のようにOSに管理されている部分とOSに管理されていない空き領域が Volume map に示されている。HDDの場合はDiskeeperはデフラグソフトなので、当然ながらファイル存在部分の断片化されたファイルのデフラグを行う。



SSDの場合には、下の画像のように、ドライブ全体が Diskeeper によって管理されている。これによって空き領域の連続性をコントロールできるようにしたようで、とてもいい考えであると思う。SSDは、各種実験したものはすべて自動的に正しくSSDと認識され、HyperFastも自動的に有効になっていて、「デフラグ」という用語の処理の変わりに「最適化」という処理がされる。



各種SSDで HyperFast が作動するかどうかや相性問題があるかどうかと、SSDの速度が低下してきた場合に、元のSSDの転送速度が必要になるので、インストール直後のベンチマークを CrystalDiskMark 2.2.0 にて測定した。

§1・§2で使用した実験用デスクトップパソコンのスペックは次の通りです。
 CPU: Core 2 Duo E8600 @3.33GHz, 1333MHz FSB, 6MB L2 cache
 RAM: Samsung M378T5663RZ3-CF7 DDR2 PC6400 2GB × 4枚
 Northbridge: Intel P45
 Southbridge: Intel ICH10R
 Motherboard: GIGABYTE EP45-DS3R
 GFX: GIGABYTE GeForce 7300GS (nVIDIA 7300GS)
 Powered by: GOURIKI-P-550A
 OS: WinXP SP2

@最初に OCZ OCZSSD2-2C30G を SATAU3Gbps(300MB/sec)にてマザーボード GIGABYTE EP45-DS3R に接続して、FAT32でSSDをformatしてWinXP SP2 をインストールしたもののCドライブでの転送速度を CrystalDiskMark で測定した。@a は新品のSSDを OS以外のドライブに接続したものの以前の測定結果で、@b は Diskeeper HyperFast を有効にした場合のCドライブでの今回の実験の測定結果である。

@a OCZ core(JM) 新品 @b HyperFast有効

@ベンチ測定を何度もした後のためか、HyperFast有効時の Sequential Read は低下しているが、Random Write は 512KBも 4KBも、全く低下がなく新品の時とほぼ同じ速度である。


A次に、OCZ OCZSSD2-1APX250G 250GB を SATAU3Gbps(300MB/sec)にてマザーボード GIGABYTE EP45-DS3R に接続して、FAT32でSSDをformatしてWinXP SP2 をインストールしたもののCドライブでの転送速度を CrystalDiskMark で測定した。Aa は新品のSSDを OS以外のドライブに接続したものの以前の測定結果で、Ab は Diskeeper HyperFast を有効にした場合のCドライブでの今回の実験の測定結果である。

Aa OCZ Apex 新品 Ab HyperFast有効

A Core series v2 (JMicron602チップ)の場合と同様、HyperFast有効時の Sequential Read は低下しているが、Random Write は 512KBも 4KBも、全く低下がなく新品の時とほぼ同じ速度である。
Apexは内部にJM602チップを2個採用してRAIDになっているためか、私の今回のシステムでは「最適化」は7%まで進行したところで止まってしまって、Diskeeper と Apex は相性が悪いようである。

B今度は、OCZ OCZSSD2-1VTX30G 30GB を SATAU3Gbps(300MB/sec)にてマザーボード GIGABYTE EP45-DS3R に接続して、FAT32でSSDをformatしてWinXP SP2 をインストールしたもののCドライブでの転送速度を CrystalDiskMark で測定した。
Ba は新品のSSDを OS以外のドライブに接続したものの以前の測定結果で、Bb は Diskeeper HyperFast を有効にした場合の firmware v1.10 のCドライブでの今回の実験の測定結果で、Bc は Diskeeper HyperFast を有効にした場合の firmware v1.30 のCドライブでの今回の実験の測定結果である。

Ba OCZ Vertex 新品 Bb VTX1370 Bc VTX1571

B OCZ Vertex の場合は Diskeeper HyperFast を有効にする前後の転送速度は firmware の バージョンが違っても、概ね同じであった。

C OCZ Vertex と同じコントローラーを持つ A-DATA S592 AS592S-128GM-C128GB を SATAU3Gbps(300MB/sec)にてマザーボード GIGABYTE EP45-DS3R に接続して、FAT32でSSDをformatしてWinXP SP2 をインストールしたもののCドライブでの転送速度を CrystalDiskMark で測定した。Ca は新品のSSDを OS以外のドライブに接続したものの以前の測定結果で、Cb は Diskeeper HyperFast を有効にした場合のCドライブでの今回の実験の測定結果である。

Ca S592 新品 Cb HyperFast有効

C これも同様に、HyperFast有効時の Sequential Read は低下しているが、Random Write は 512KBも 4KBでわずかに速くなっている。

D今度は、Intel X25-M Mainstream SATA SSD MLC 80GB を SATAU3Gbps(300MB/sec)にてマザーボード GIGABYTE EP45-DS3R に接続して、FAT32でSSDをformatしてWinXP SP2 をインストールしたもののCドライブでの転送速度を CrystalDiskMark で測定した。
Da は新品のSSDを OS以外のドライブに接続したものの以前の測定結果で、Db は Diskeeper HyperFast を有効にした場合の firmware v1.10 のCドライブでの今回の実験の測定結果で、Dc は Diskeeper HyperFast を有効にした場合の firmware v1.30 のCドライブでの今回の実験の測定結果である。

Da X25-M 新品 Db X25-M 8610 Dc X25-M 8820

D Intel X25-M の場合も、OCZ Vertex と同様に、 Diskeeper HyperFast を有効にする前後の転送速度は firmware の バージョンが違っても、概ね同じであった。

E最後に、殻割りして確認してみましたが、新型Samsung MMCRE28G5MXP と同じコントローラーである128MB DRAM cache 搭載の OCZ OCZSSD2-1SUM120G 120GB を SATAU3Gbps(300MB/sec)にてマザーボード GIGABYTE EP45-DS3R に接続して、FAT32でSSDをformatしてWinXP SP2 をインストールしたもののCドライブでの転送速度を CrystalDiskMark で測定した。Ea は新品のSSDを OS以外のドライブに接続したものの測定結果で、Eb は Diskeeper HyperFast を有効にした場合のCドライブでの測定結果である。

Ea OCZ Summit 新品 Eb HyperFast有効

E OCZ Summit では Diskeeper HyperFast を有効にすると、ほとんどの項目で約10%程度パーフォーマンスが落ちた。Summit を操作してみた印象では、X25-MとVertexの中間ぐらいの操作性であった。Non RAID単品での Sequential Write の実測値については 187.3MB/sと各種SSDの中で2009年6月16日の時点で最速であるが、価格も最高である。
OCZ Apex の場合と同様、私の今回のシステムでは「最適化」は7%まで進行したところで止まってしまって、Summit も Apex と共に Diskeeper とは相性が悪いようである。ただし、Apexとは違って、旧型Samsungでは速度低下自動回復機能がありそうな報告があるので、新型でも速度低下自動回復機能がある可能性があり、その場合は Diskeeper HyperFast は不要である。


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