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新型 Intel X25-M G2 のベンチマークテスト結果 (新旧の比較) 


2009年7月22日、Intel X25-M SSD の NAND型フラッシュメモリーが 34nm process technology で製造された新型の X25-M が発売された。2009年7月23日に X25-M G2 160GB が到着したので、同日、下記のベンチマークテスト@Bを行い、翌日 X25-M G2 80GB が到着したので7月24日に X25-M G2 80GB のベンチマークテストAを行い、7月25日にベンチマークテストCDを行いました。@ABEの実験ではOSはWindowsXP SP1を使い、CではWindows7 RC、DではWindowsXP SP2を使いました。

使用した実験用デスクトップパソコンのスペックは次の通りです。
 CPU: Core 2 Duo E8600 @3.33GHz, 1333MHz FSB, 6MB L2 cache
 RAM: Samsung M378T5663RZ3-CF7 DDR2 PC6400 2GB × 2枚
 Northbridge: Intel P45
 Southbridge: Intel ICH10R
 Motherboard: GIGABYTE EP45-DS3R
 Boot HDD: HDS721616PLAT80 (Hitachi 7200rpm 160GB UltraATA133)
 GFX: GIGABYTE GeForce 7300GS (nVIDIA 7300GS)
 Powered by: GOURIKI-P-550A


@ 最初に
Intel X25-M G2 160GB を単体で SATAU3Gbps(300MB/sec)にてマザーボード GIGABYTE EP45-DS3R に接続して、測定するSSD全域をFAT32でformatしました。
旧型X25-M G1ではcacheに166MHz 16MBのSamsungのSDRAMを搭載していたのに対し、新型のX25-M G2ではcacheに133MHz32MBのMicronのSDRAMを搭載してcache量が増えたので、その機能が旧型X25-M G1のようにwear levelingのみに用いられているのか、書込みcacheにも利用されているかを推測するために次の順序でベンチマーク測定を行いました。

最初にまず @a CrystalDiskMark50MB 2回計測によるベンチマーク測定を行った。2回計測テストしか行わなかったのは、Vertexのように書込みcacheを搭載したSSDでは 1回目に最大値が出ることが多いからである。SSDはベンチ測定すればするほど速度低下をもたらすので、できるだけ小さな書込みによる計測から順に行った方が、後で行うベンチマークの結果に悪影響を及ぼさないと考えました。
その後 @b 100MB 5回計測によるベンチマーク測定を行い、次に @c 1000MB 5回計測によるベンチマーク測定を行いました。
ここで、SSD全域をNTFSで再formatし、@d 1000MB 5回計測によるベンチマーク測定を行ってFAT32とNTFSで違いが出るか確認しました。
その後、 @e HDTuneProで64MB file benchmark を行った後に、最後に @f Random Access のReadテストを行いました。

@a 50MB FAT32 @b 100MB FAT32

50MB、100MB共にCrystalDiskMarkの1回目の計測で最大値が出たのと、書込速度に関しては下の 1000MBテストの結果より概ね速かったことから、新型X25-M G2ではSDRAM cacheの一部は書込みcacheに使われ、ベンチ結果と体感速度が向上するように改良されていると思われた。Intelの発表では搭載されたcacheはwear leveling用で書込みcacheではないとされているが、MicronがX線で確認したところG2ではcontrollerのdieの中に2MB cacheの存在が確認されている。(G1では512KB)

@c 1000MB FAT32 @d 1000MB NTFS

新型のX25-M G2 160GBでは、SSD全域をFAT32でformatしてもNTFSでformatしても転送速度に差はありませんでした。上のscreen shotで @c の Random Write 512KBのWriteでやや高い値が出ましたが、1回目だけにcacheが効いたときのように高い数値が出て2回目以降は85MB/s程度で安定していたので、まだ、実験が残っていたので、SSDの消耗を抑えるために再計測はしませんでした。


NTFSでformatしたまま次にHDTuneProによる計測を行ってみました。下の左の @e は、HDTuneProの64MB file benchmarkテスト結果で、下の右の @f はRandom Access のReadテストの結果です。

@e File Benchmark @f Random Access


A 新型X25-M G2 160GB で行った計測と同じ手順で、新型X25-M G2 80GB での計測を行いました。
最初に Intel X25-M G2 80GB を単体で SATAU3Gbps(300MB/sec)にてマザーボード GIGABYTE EP45-DS3R に接続して、測定するSSD全域をFAT32でformatしました。
まず Aa CrystalDiskMark50MB 2回計測によるベンチマーク測定を行い、次に Ab 100MB 5回計測によるベンチマーク測定を行い、その後 Ac 1000MB 5回計測によるベンチマーク測定を行いました。
ここで、SSD全域をNTFSで再formatし、Ad 1000MB 5回計測によるベンチマーク測定を行ったあと、 Ae HDTuneProで64MB file benchmark を行って、最後に Af Random Access のReadテストを行いました。

Aa 50MB FAT32 Ab 100MB FAT32

新型X25-M G2 80GB でも書込み時に新型X25-M G2 160GB のような初回の計測数値のアップがわずかに認められました。
新型X25-M G2 80GBでは新型X25-M G2 160GBと同様に、50MBや100MBの小さなデータの書込み時の転送速度が1000MBのデータの書込み時の転送速度より速かったのでSSDに搭載されたSDRAMは書込みcacheにも使われていると推測されましたが、新旧の80GB SSDの性能は新型の160GBと違ってかなり似ている結果とも言えました。

Ac 1000MB FAT32 Ad 1000MB NTFS

新型X25-M G2 80GBでも、SSD全域をFAT32でformatしてもNTFSでformatしても計測結果はあまり変わりませんでした。


NTFSでformatしたまま次にHDTuneProによる計測を行ってみました。下の左の Ae は HDTuneProの64MB file benchmarkテスト結果で、下の右の Af はRandom Access のReadテストの結果です。

Ae File Benchmark Af Random Access


B 新旧のX25-Mの性能を比較するために、旧型のX25-Mでも同様の測定を行ってみました。
SSDは使用すると速度低下するのですが、手元にあった実験用の旧型のX25-Mは既にもう何度もベンチマーク計測に使用していて、さらにfirmwareも 045C8610 から 045C8820 にファームアップしてあり、やや転送速度が劣化していると考えられたので、まずHDDerase3.3にて新品に限りなく近い速度が出るように速度回復措置をとりました。FW:8820 にファームアップした旧型X25-Mでも無事にSecure Eraseすることができるかどうかも知りたかったのですが、無事速度回復に成功しました。(私の環境では成功しましたが、別の環境で失敗するとSSDが認識されなくなることもあるのであくまでも自己責任で! 特に新型X25-M G2ではSecure Eraseで操作すると、HDDerase3.3で一旦HDDパスワードを設定している可能性があるので、新型X25-M G2のファームウェアのバグにより新型X25-M G2がOSで認識不能となるおそれがあるので人柱も危険かもしれません。)

旧型X25-M G1(FW: 045C8820)を用いて、上記@Aの新型X25-M G2(FW: 2CV102G2)で行った計測と同じ手順で旧型の計測を行いました。
最初に Intel X25-M G1 80GB を単体で SATAU3Gbps(300MB/sec)にてマザーボード GIGABYTE EP45-DS3R に接続して、測定するSSD全域をFAT32でformatしました。
まず Ba CrystalDiskMark50MB 2回計測によるベンチマーク測定を行い、次に Bb 100MB 5回計測によるベンチマーク測定を行い、その後 Bc 1000MB 5回計測によるベンチマーク測定を行いました。
ここで、SSD全域をNTFSで再formatし、Bd 1000MB 5回計測によるベンチマーク測定を行ったあと、 Be HDTuneProで64MB file benchmark を行って、最後に Bf Random Access のReadテストを行いました。

Ba 50MB FAT32 Bb 100MB FAT32

旧型X25-M G1では書込み時に新型X25-M G2のような初回の計測数値のアップはありませんでした。

Bc 1000MB FAT32 Bd 1000MB NTFS

旧型X25-M G1でも、SSD全域をFAT32でformatしてもNTFSでformatしても計測結果はあまり変わりませんでした。


NTFSでformatしたまま次にHDTuneProによる計測を行ってみました。下の左の Be は HDTuneProの64MB file benchmarkテスト結果で、下の右の Bf はRandom Access のReadテストの結果です。

Be File Benchmark Bf Random Access

新型X25-M G2ではIOPSのWriteの値が旧型より向上していると公表されていますが、今回測定できたIOPSのReadの値については、メーカーの公表どおり、新型と旧型はほぼ同じ値でした。


C 今度は、自動デフラグを設定しないなどのSSDに対する対応を既に行っていて、今後TRIM機能にも対応を目指している Windows 7 でどうなるか調べてみた。

Ca X25-M 160GB Cb X25-M 80GB

C CrystalDiskMarkによるベンチ結果自体は、Windows 7でもWindows XP SP1でも同様の結果で、Windows 7とWindows XPの両者にはまだあまり差はなかった。


D Diskeeperは既にSSDに対するHyperFast機能を有しているので、どのような結果になるのかWindows XP SP2にインストールしてベンチマーク測定を行ってみた。Diskeeperを立ち上げてみて確認したところ、80GBおよび160GBの新型X25-Mで両者とも正常にHyperFast機能は「有効」になっていた。

Da X25-M 160GB Db X25-M 80GB

D CrystalDiskMarkによるベンチ結果自体は、ベンチ測定を何度も行ったSSDでは次第に転送速度が低下してくるものであり、HyperFastを入れると若干転送速度が落ちるSSDが多いが、X25-Mでは転送速度が若干ではあるが向上した。


最後に、全く同一条件下で同じ機械で測定した新品開封時の 新(G2)旧(G1)X25-Mの初回のベンチマーク計測結果を並べておきます。

@b G2 160GB Ab G2 80GB Ec G1 80GB(8610)


結論的に、新旧のX25-Mを比較した結果、全く同一の環境で比較すると、新型X25-M G2の方が旧型X25-M G1より良好なベンチマーク結果が得られました。

PC Perspectiveに新旧のX25-Mを比較したSpecificationsの対比表が載せられている。新型X25-M G2ではRead LatencyとWrite LatencyとWrite IOPSが向上している。
また、AnandTechのreportによれば、新型X25-M G2の 4KB Random Write Speed は34.5Mb/sと旧型G1の24.7MB/sに比べて約40%向上しており、X25-Eをも凌駕し各種SSDの中で最速である。このグラフ
AnandTechは新型X25-M G2では、アプリケーション次第で0〜10%の速度向上が見込まれるとしている。
Intelはプロモーション・アニメで回路が 10 parallel NAND flash channels なので内部転送速度が速いと説明しています。


旧型X25-M G1の日本向けリテール製品にはSSDの厚みを7mmから9.5mmにする2.5mmの黒いプラスチックのスペーサーが取り付けられていた。一方、旧型X25-M G1の海外のバルク品ではこのページの最初の一番右の写真のようにSSDの厚みを7mmから9.5mmにする2.5mmの黒いプラスチックのスペーサーは付いていなかったが、今回の新型X25-M G2の茶箱バルク品には取り付けられており、試しにプラスチック・スペーサーをはずしてみたが、スペーサー無しでは四隅のスクリューを全部しめることができなかったので、適合したスクリューを手配しない限り、スペーサーは常時装着したままにしておかなければならない。
Circuit boaredのフラッシュメモリーはSSD内部でスペーサーとは反対側の底面に向くように取り付けられており、評判の悪い大理石紋様の底面のアルミ・ダイキャストで放熱できるように設計されている。ちなみにアルミ・ダイキャストのSSD内面も同様の大理石紋様であった。(中国制造)

Circuit board の写真と解説は AnandTechのサイトに発売当日の日付でアップロードされている。
旧型との変更点は、34nm process technologyで製造されたG2の80GBも160GBについてもflash memoryは片面のみに設置されている。これで将来320GBのX25-Mが発売可能なことは確実である。
また、166MHz 16MBのSamsungのSDRAMが133MHz 32MBのMicronのSDRAMに変更されている。これでSONYの様な収益圧迫因子はなくなったが、VertexがTurboを出して166MHzから180MHzにcacheを高速化するのと比較すると対照的な対応である。(昔、Mercedes は .as Beste oder Nichts! のmottoをかなぐり捨てた時、Sクラスの1気筒4バルブエンジンを1気筒3バルブエンジンに変更してしまった。「試乗」だけさせてもらったら、レスポンスはさらに高級感が増していた。)

今回、旧製品の値下げ見切り販売で届いた製品は2008年12月に箱詰めされたものが多かったが、最後にある専門量販店が仕入れた旧製品は2009年6月15日と16日に箱詰めされたもので、追加生産された可能性もある。新型X25-M G2の製品の内部には2009年6月1日の日付が記載されているので、Intelは6月1日には新製品の製造着手を終えていて、今回、私の所に所に届いた製品は新型X25-M G2 160GB が2009年6月28日箱詰め、新型X25-M G2 80GBが2009年7月10日箱詰めであった。
この写真では既に2009年4月2日には新製品が存在していたようである。
今回、新型SSD製造装置の減価償却前に、製造材料調達コストの低下を製品販売価格の低下に直結してくれたIntelの販売姿勢は、独占の意図がないならば消費者にとても良心的で、Sクラスの価格を下げなかったMercedesとは違う。34,800円程で販売されていた旧型X25-Mのstreet priceが短期間に1万円程下がったのは、Intelが新型X25-Mを適正価格で販売する決心をしてくれたからである。


旧型X25-M G1 では 50nm process technologyでflash memoryが製造されていたが、新型X25-M G2では 34nm process technologyで製造されたものが採用されることとなった。CPUの場合には微細化技術によって、Core 2 DuoのようにCPUの発熱量が減少し、マルチコア化が可能となり、ソフトが対応すればperformanceの向上につながるようになった。
NAND型フラッシュメモリーの場合には微細化することによって生産コストを削減してフラッシュ・メモリー・チップの単位面積当たりの容量が増大するが、一方で、微細化によって酸化絶縁膜の寿命が縮まり、EETIMESの2009年3月24日の記事によれば、SSDの寿命がこのグラフaのように短縮化するとしている。一方Intelはこれに対して、AKIBA PC Hotline! 2009年7月25日号の記事にあるように、この表の傾きが正しく検証されているかどうかという点に疑問を呈し「制御ICで決まるSSD」と大きな文字で書いて反論している。確かに34nmで生産されたチップがこれほど性能が悪いかどうかということは、実際に検証した人しか知らないわけだし、Intelのプロモーション・アニメをみても制御ICの"wear-leveling"の機能が他社より優れていることを示している。このためIntelは新型X25-M G2のデータシートの 3.5.4で 1日20GB使用したとして最低5年間は使用できると説明している。データシートの内容は実験に基づくものだと思うので私は信用していいと思う。

ただし、過去の話ではあるが、旧型X25-M G1の消費電流について、昨年の9月にX25-Mのプロモーションで、旧型X25-M G1の消費電流は"0.15W Active Power, 0.06W Idle Power"と説明しているが、Tech Reportの計測結果ではIOMeterを回しているときに1.89Watts、Idle時0.61Wattsと、プロモーション内容と実験結果が10倍以上も違うといった例もあるので、双方の主張に耳を傾けなければならない。

過去、2009年2月13日にPC Perspectiveに、X25-M G1が旧ファーム045C8610だったときに、SSDの速度は長期使用で新品時の輝きを失っていくという7ページの詳細な実験結果が示されたが、2009年2月19日にIntelはpcperの実験結果を再現できなかったと反論した。しかし、この時Intelは最終的に2009年4月10日に新しいfirmware045C8820を出して対応した。

Wear levelingについての個人的な考えであるが、wear levelingは完全を期するプログラムの方がすばらしいことには間違いないが、それで完璧かというと、各セルの寿命は3,000回とか7,000回というふうに個々のセルで違うわけであるから、wear levelingを完全に正確に行うことによってセルが規定回数まで損傷しなくなるかというと、またもう一つの新たな別問題を解決しないと .as Beste とならないことは明白である。
本当はMicronかIntelが 34nm process technology で製造されたNAND型フラッシュメモリーの寿命のデータを持っているわけだから 34nm process technology と 50nm process technology の比較データを示せば話が早いが企業秘密であろう。

SanDiskとToshibaは 2bit 56nm MLC の次のステップとして 3bit 43 nanometer process technology を選択したのは微細技術加工のMLCの寿命問題を考慮してのことかと思ったが、32nm MLCも発売したようである。
ただし、2009年8月11日のMicronとIntelの共同発表によれば、3bit 34 nanometer process technologyの微細加工では、「ECCを急速に強化せざるを得ない。」、「書き込みスループットはSLCでは30MB/sec〜35MB/secであったのが、MLC-3では5MB/sec〜8MB/secに下がってしまう。MLC-3では1回のデータ書き込みで実質的には少なくとも3回の書き込みを実行しているからだ。」とされ、応用はUSBには適しているがSDとSSDにはまだ不完全だとしている。

IntelやJMicronなど書込速度の遅いSSDはwear levelingに力を入れて現在可能な限りの努力を行って製品開発をしているので私はこの点はとても気に入っている。特別な条件でだけ測定される高速な公称速度を前面に出して販売をする会社が次第に増えてきていて、wear levelingに際しての上限をMLCなのにSLCなみに設定したりしてwear levelingの正確性に疑惑のある製品もある。こんな製品は将来セルの寿命到達時に突然死が予想されるが、今は誰も気付かない。最近の販売傾向を見ると、表示された高速書込速度につられて商品を選択してしまうかもしれないのでやや不安である。補足

2009年7月27日のengadgetの記事に"BIOS password snag subdues Intel's 34nm X25-M G2 launch party"の記事が出て、engadgetの日本版では「インテルの新型SSD X25-M G2に不具合、出荷停止」との記事になった。私もJMチップのSSDでパスワードロックがかかり使えなくなったものが手元に1つある。Secure Eraseを使用してOSで認識不能になってしまったのだが、HDAT2では認識されてパスワードロックになっていることがわかった。Secure Eraseは今のところ旧型X25-M G1(8610・8820)、Vertex、S592で安全に使えるが、新型Samsungで認識しなくなった人もいるし、私のJMでもたった1回で不具合となってしまった。S592でもHDDパスワードをかけると確実に死亡すると報告され、新型Intel以外の他製品でも、SSDのパスワードロックはHDDに比べてまだ発生しやすいので注意が必要である。SSDの先駆けの1つであるMtronは、私の使用しているものには全く問題はなく幸運であったが、やはり突然死などの初期不良率がきわめて高いことでは問題がある。i-RAMが発売されて、その後ANS-9010を信用できるようになるまで3年かかった。現在、発売されて2〜3年しか経っていないSSDが好きな人は、その辺の所もわかって購入したり使用したりしていると思うし、初めからまだ愛玩モルモットだと思って買っている人も多いと思う。旧型X25-Mも発売後7〜8ヶ月でfirmwareが8610から8820に変わったし、Vertexなどは発売直後に立て続けに何度も新ファームが連続して出てきた。新型X25-MにしてもANS-9010にしても、まだ、茶箱入りの商品であるが、pcperやengadget日本版続報によれば、Intelは not-yet-live linkでfirmware改良で対処してくれるそうなので心配はない。パスワードロックについて、「そんなことぐらいは、たいした問題ではない。」と考えて放置している他社に比べて、今回のIntelの出荷停止対応はとても良心的である。
新型SSDに同梱された謎のlabelの意味も判明。
I hope that "MY SSD ROCKS!" instead of getting that "MY SSD LOCKS!" (^^;)

2009年8月7日にIntelはBIOS LOCKの問題を解決したfirmware 2CV102G9を作り、慎重にテストをして2009年8月10日に公開した。G2の80GB・160GB共にこのfirmwareをダウンロードしてちゃんとupdateすることもできたので、2009年8月18日にCDMベンチを再度測定してみた。

F下の4つのスクリーンショットは、すべてIntel X25-M G2 firmware 2CV102G9 のもので、最初から、Fa 160GB 100MB test FAT32 Fb 160GB 1000MB test NTFS Fc 80GB 100MB test FAT32 Fd 80GB 1000MB test NTFS の順に並べてある。

Fa Fb Fc Fd

F新品開封時よりほんの僅かに劣化しているが、ほぼ誤差範囲内である。Fb 160GB 1000MB testでRandom Write 512KBの値のみなぜか85.73MB/sから102.7MB/sに向上し、再度測定してみたが同じであった。


2008年9月16日のHotHardwareの Intelの旧型X25-M G1のプロモーションでは、旧型X25-M G1は 1日100GBを5年間作業負荷をかけることにも耐えられると説明していたが、当時から許容範囲は1日20GBを5年間であることをかっこ内の補足説明で明示している。新型X25-M G2のデータシートでは 100GB/dayについては一切コメントせずに、単に up to 20GB/day とだけ記している。

80GBのX25-Mを 1日20GB使用して5年間ということは、
20GB×365日×5年間÷80GB=456.25回
の書込みを各セルに行っても大丈夫と考えているから妥当な線であろう。今までMLCは1万回の書換えが可能とされ、実際に実験した人も数千回からセルの破壊が始まることを確認しているが、もし 34nm process technologyになって書換可能回数が半減したとしても5,000回は書換可能であるところを、465回と言っているわけであるから信憑性は高い。ただし、数KBのデータで512KBののブロックを使用してしまうこともないわけではないから、10倍程度余裕を見ておくのが適当であろう。
ちなみに、ネットを朝から晩まで見たヘビーユーザーが計測してみたところ、SSDへの書込み量は1日2GB程度だったそうである。

私は最もよく使うパソコンはANS-9010を用いているから、SDRAMの損傷など全く心配しなくて良いが、ANS-9010は電源管理と放熱対策が大変である。
一方、SSDは手軽にパソコンを高速化できるので、一旦気に入ってしまうと他のパソコンのHDDの換装もやめられなくなってしまう。
あまり使わない古いサブマシーンなどはJMicronを入れて使っているが、対策を施せば別にプチフリはしないし、給与計算用のPCはたとえECCがあるといってもエラーが絶対に出ては困るので、1個当たりの単価がX25-Eの半額以下のMtronのうち、一番安い16GBのSLCを使用している。

JMicronはJSMonitorで寿命を診断できるし、Mtronにも寿命診断ソフトがある。計算原理は上で説明したものと概ね同じである。試しに使ってみたら、MLCの32GBのSSDでJSMonitorでは44年という寿命が計算され、SLCの16GBのMtron SSDはあまり使わなかったら、どんどん寿命が延びて4509年も使えるという結果になってしまった。
だから、実際にこんなに長く使うはずはないので現実的にはSLCは過剰性能部品であり、Intelの考えるように、セルの寿命は 34nm process technologyで製造された新型X25-M G2でも、あまり心配することはなさそうである。
ちなみに、Mtron SLCのSSDの寿命が4509年と出たことを友人に話してみたら、
エジプトのミイラより長持ちすると褒めてくれた!(^_^)v

ただし、ヘビーユーザーは計算通りに行かないことがあることも考慮しなければならない。たとえば、ECCでエラー訂正ができるといっても、確実にできるのはエラーの発生率が低い時点での話である。エラーを訂正できない場合もある。それは、ファイルのサイズが同じで内部で1ヵ所0と1が変わってしまったようなエラーである。また、エラーの発生率が上がって、取扱っているデータを訂正しようとしているのに、その控えのデータも壊れてしまっている場合もエラー訂正はできない。だから、エラーの発生は少ないに越したことはない。そう考えると、私の給与計算用のコンピューターは4509年も使えて、職員にも安心して働いていただけそうである。(*^_^*)
ただし、あまり正確なパソコンを使用していると、こちらの脳や指にECCがないので、
エラーが発生したときに言い訳のしようがなくて困る。(-_-;)


追加実験: 2009年10月3日、同じ価格で同じ容量のSSDのRAID 0での速度を、作者が現在開発中の CrystalDiskMark 3.0 (Technical Preview #3) を用いて計測してみました。
Ga 2万円の旧型X25-M G1 80GB×3 対 Gb 3万円の S592 128GB×2 対 Gc SSD内部でRAIDの Apex 250GB単体で、Intel ICH10RのSATAポートに6個のSSDを同時に接続しました。
  (cf. 2009年4月8日の同価格帯のSSDライバル比較はこちらのJをご覧下さい。)

Ga X25-Mx3 Gb S592x2 Gc Apex

前回の対決とは逆転し、Intelの大勝利でした。(^_^)
特に、ランダム 4KB の「Queue Depth : 32」のテスト結果では、Random Read 291.6MB/s、Random Write 197.2MB/s と他のSSDを寄せ付けない高性能で、SSDなのにANS-9010(4ポート)の50〜60%程度の性能が出ました。

ただし、1つだけ問題がありました。本当は新型G2の性能も調べたかったのですが、1個しか持っていない新型G2を単体で1つだけM/BのIntel ICH10RのSATAポートに接続してSATAポートのモードを「Disabled(IDE)」から「RAID」にしてみたら、OSが立ち上がって新しいディスクとして新型G2を認識するところでブルー・スクリーン・エラーとなり何度やっても同じ結果でした。試しにApexやJM602チップSSDで同じ事を試してみましたが、すべて正常に作動しました。新型G2の新ファーム2CV102G9にまだfirmwareのバグが残っているのかもしれません。 Intelから見ればMicrosoftのOSが悪いのかもしれないし、Microsoftから見ればIntelのfirmwareが悪いのかもしれないし、両者から見ればSATAポートをRAIDモードにしてSSDを単体で接続した私が悪いのかもしれない。

追記: 2009年10月26日、Intel はG2用の新ファーム「2CV102HA」を発表したが、2ちゃんねるで不具合報告が多いので、しばらく新ファーム「2CV102HA」を試してみる気がしなかった。
日本時間で2009年10月28日に日付が変わった頃 Intel は公式サイトからこのファームを消し去り、日本時間で2009年10月28日朝8時の時点ではIntelからの正式発表は見当たらないが、Engadget不具合その内容も公表された。SSD自体が壊れてしまう(killed)のはWin7とされているが、「2CV102G9」でもOSから認識されなくなることについては、上記に2009年10月3日に記載してあるとおり私のXPでも起こったし、2009年10月28日「2CV102HA」のVistaでも認識不能になっている。最初起動しても後で起動しなくなる報告も、多数出てきており、起動してもS.M.A.R.T. のデータが壊れている人もいるので、みなさん注意してください。(詳細 1 2 3
Win7のページに書いたように、他のOSと違って、Win7ではブートマネージャーの入っている「System Reserved」が別のドライブに作成された場合に、Win7のTRIM機能によってX25-M G2の起動データが壊される可能性もあるので、「System Reserved」がHDD内などに作成されてしまった人は、さらなる注意が必要であろう。
日本時間の2009年12月2日に、新しい2009年11月30日付のfirmware「2CV102HD」がアップロードされた。
2011年1月26日に次のfirmware「2CV102M3」が出て、前firmwareでfreezeしやすかった点が改善された。このfirmwareでは、今まで使えていたHDDerase3.3が使えなくなってSecure Eraseできなくなったという報告や、SSDの使用時間が正しく表示されなくなったという報告がある。これでG2通算5個目のfirmwareとなり、OCZ-Indilinxのfirmware更新数の半分に到達し、Intelのfirmwareの信頼性にまだ疑問が残るが、RealSSD C300のようなaccess latency遷延問題は目立たずIntel純正controllerのSSDは使いやすい。