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OCZ SSD のベンチマークテスト結果 

 

最近SSDの量産も拡大し、Mtron の新シリーズで最も安い Mtron MSD-SATA3535016 の価格は2008年11月23日現在で\14,800(登録日:2008/10/09)となっており、一般個人レベルでも購入可能な価格になってきていて、YouTubeにDELLのパソコンで高速に作動している動画が投稿されていた。私が最初に購入したPhotoFast CR-9000 では私の唯一のノートパソコンと相性が悪くて使用できなかったため、他に低価格でDELLノートパソコンで使用できそうなSSDを探していた。

OCZ OCZSSD2-2C30G が Mtronの最安値の商品の2/3の価格で約2倍の容量30GBで発売されていて、価格.comで SSD売れ筋ランキング1位(2008年11月23日現在)だったので購入してみた。価格は2008年11月23日現在で30GBのSATAU用のSSDが\9,495(登録日:2008/9/03)であった。

OCZ Core Series V2 では SSD のギガバイト当たりの単価を他社の半額以下に設定し、また信頼性を高めた結果、半数のSSDが使用不能になるまでの時間(=MTBF)が150万時間あり、2年間の製品保証とサービスサポートがあると OCZのwebsiteに書いてある。
「Designed for ultimate reliability, Core V2 SSDs have an excellent 1.5 million hour mean time before failure (MTBF) ensuring peace of mind over the long term. All Core Series SSD drives come backed a two year warranty and OCZ’s legendary service and support.」
購入した製品の箱には使用環境温度が-10℃〜+70℃で、Shock Resistance が 1500G, 0.5ms、Performanceは Readが最大170MB/sで Writeが最大98MB/s と書いてある。
OCZ社の Headquarters (本社)はアメリカのカリフォルニア州にあり、購入した製品のSSDは台湾製造であった。


§1. ベンチマークテスト (Benchmarks)

最初に実験用のデスクトップパソコンで、
@OCZ SSD (OCZSSD2-2C30G)単体の benchmark test と
AOCZ SSD (OCZSSD2-2C30G)2個を用いた RAID 0 での benchmark test
を行った。

このテストで使用した実験用デスクトップパソコンのスペックは次の通りです。
 CPU: Core 2 Duo E8600 3.33GHz, 1333MHz FSB, 6MB L2 cache
 RAM: Samsung M378T5663RZ3-CF7 DDR2 PC6400 2GB × 2枚
 Chipset: Intel P45/ICH10R
 Mother board: GIGABYTE EP45-DS3R
 Boot HDD (C: drive): HDS721616PLAT80 (Hitachi 7200rpm 160GB UltraATA133)
 SSD Format: FAT 32
 Graphics: GIGABYTE GeForce 7300GS (nVIDIA 7300GS)
 Power supply for M/B & drives: 潟Tイズ GOURIKI-P-550A
 Power switch for M/B: AINEX KM-01
 OS: WinXP SP1


@最初に OCZ OCZSSD2-2C30G を単体で SATAU3Gbps(300MB/sec)にてマザーボード GIGABYTE EP45-DS3R に直接接続しました。OCZSSD2-2C30G のメーカーの公称速度は、製品の箱とwebsiteを調べると「Read up to 170MB/s、Write up to 98MB/s で、We recommend using ATTO and PC Mark Vantage for benchmarking SSDs.」と記載されている。

@-1 CrystalDiskMark (OCZ OCZSSD2-2C30G 30GB×1 単体SATAU接続)


@-2 HDBENCH (OCZ OCZSSD2-2C30G 30GB×1 単体SATAU接続)


@-3 FDBENCH (OCZ OCZSSD2-2C30G 30GB×1 単体SATAU接続)


@-4 HD Tune Pro 4MB file (OCZ OCZSSD2-2C30G 30GB×1 単体SATAU接続)


@-5 HD Tune Pro 64MB file (OCZ OCZSSD2-2C30G 30GB×1 単体SATAU接続)


@-6 HD Tune Pro 256MB file (OCZ OCZSSD2-2C30G 30GB×1 単体SATAU接続)




A次に OCZ OCZSSD2-2C30G を2個用いて、GIGABYTE EP45-DS3R 内蔵の RAID 機能で「RAID 0」を構築し、各SSDはマザーボードに直接 SATAU3Gbps(300MB/sec)で接続しました。

A-1 CrystalDiskMark (OCZ OCZSSD2-2C30G 30GB×2 RAID 0 構築 SATAUでボードに直接接続)


A-2 HDBENCH (OCZ OCZSSD2-2C30G 30GB×2 RAID 0 構築 SATAUでボードに直接接続)


A-3 FDBENCH (OCZ OCZSSD2-2C30G 30GB×2 RAID 0 構築 SATAUでボードに直接接続)


A-4 HD Tune Pro 4MB file (OCZ OCZSSD2-2C30G 30GB×2 RAID 0 構築 SATAUでボードに直接接続)


A-5 HD Tune Pro 64MB file (OCZ OCZSSD2-2C30G 30GB×2 RAID 0 構築 SATAUでボードに直接接続)


A-6 HD Tune Pro 256MB file (OCZ OCZSSD2-2C30G 30GB×2 RAID 0 構築 SATAUでボードに直接接続)



内蔵されるcontroller chip(JMicron 製「JMF602」)と基板の裏表で16個のフラッシュメモリー(Samsung製 MLC「K9GAG08U0M」)は同一なので、OCZ SSD (OCZSSD2-2C30G)のベンチマークテスト結果は、Silicon Power SP032GBSSD650S25テスト結果とほとんど同じ転送速度であった。この2種類のSSDをRAID 0にして使えることも実験的にわかった。


今回のベンチマークテストはファイルシステムをFAT32にして行ったが、OCZ OCZSSD2-2C30G は購入時はNTFSでフォーマットされている。私の今回の実験システムではファイルシステムをNTFSにした場合とFAT32にした場合ではFAT32の方が高速であったので、その実験結果は「NTFS vs. FAT32」のページをご覧下さい。

OCZ SSD (OCZSSD2-2C30G)にはUSB接続端子が付いている。USB接続ではSATA接続より転送速度が落ちることはSSD vs. HDDの実験で分かっているが、念のためどれほど転送速度が落ちるかを実験してみたら下の結果となった。

CrystalDiskMark (OCZ OCZSSD2-2C30G 30GB×1 単体USB接続)

USB接続では転送速度が遅いので、USB接続端子はノートパソコン1台のみ所有している方がHDDからSSDに換装したいときに有用な程度である。

高速RAIDを構築するために低速USB端子は不要なので、RAID 0のために複数購入したい方は Silicon Power SP032GBSSD650S25 の方が安ければこちらのSSDを追加利用してもよいし、実験的にもこの2つのSSDは同一性能部品として取り扱うことができました。
OCZSSD2-2C30GSP032GBSSD650S25を同一性能部品とみなして3〜6個でRAID 0を組んだ実験結果はSSDのRAID実験にまとめましたので、リンクをクリックしてご覧下さい。


§2. 実用テスト (SSD Installation to PC)

次に実験用のデスクトップパソコンで、
BOCZ SSD (OCZSSD2-2C30G)単体をシステムドライブに用いた Windows XP の起動テストと
COCZ SSD (OCZSSD2-2C30G)2個を RAID 0 にしてシステムドライブに用いた Windows XP の起動テスト
を行った。

このテストで使用した実験用デスクトップパソコンのスペックは上の実験@Aで用いたものと同じで次の通りです。
 CPU: Core 2 Duo E8600 3.33GHz, 1333MHz FSB, 6MB L2 cache
 Memory: Samsung DDR2 PC6400 2GB × 2枚
 Chipset: intel P45/ICH10R
 Mother board: GIGABYTE EP45-DS3R
 Graphic card: GIGABYTE GeForce 7300GS (nVIDIA 7300GS)
 OS: WinXP SP1

BOCZ SSD (OCZSSD2-2C30G)を単体で SATAU3Gbps(300MB/sec)にてマザーボード GIGABYTE EP45-DS3R に直接接続して Windows XP の起動テストを行った結果:
UltraATA133(133MB/sec)接続の Hitachi の160GB 7200rpmのHDD (Hitachi HDS721616PLAT80)にて Windows XP のOS部分の起動時間はスタートアップ内のファイルが開くまでに32秒でカーソルの右下の砂時計が消えるまでに36秒であったが、OCZ SSD 単体ではスタートアップ内のファイルが開くまでに25秒でカーソルの右下の砂時計が消えるまでに30秒であった。
OCZ SSD で元のHDDを換装することによって Windows XP のOS部分の起動時間は、スタートアップ内のファイルが開くまでに7秒間短縮(21%短縮)され、カーソルの右下の砂時計が消えるまでに6秒間短縮(16%短縮)された。

COCZ SSD (OCZSSD2-2C30G)を2個用いて、GIGABYTE EP45-DS3R 内蔵の RAID 機能で「RAID 0」を構築し、各SSDはマザーボードに直接 SATAU3Gbps(300MB/sec)で接続して Windows XP の起動テストを行った結果:
UltraATA133(133MB/sec)接続の Hitachi の160GB 7200rpmのHDD (Hitachi HDS721616PLAT80)にて Windows XP のOS部分の起動時間はスタートアップ内のファイルが開くまでに32秒でカーソルの右下の砂時計が消えるまでに36秒であったが、 2個の RAID 0 の OCZ SSDではスタートアップ内のファイルが開くまでに18秒でカーソルの右下の砂時計が消えるまでに23秒であった。
2個の RAID 0 の OCZ SSDで元のHDDを換装することによって Windows XP のOS部分の起動時間は、スタートアップ内のファイルが開くまでに14秒間短縮(40%短縮)され、カーソルの右下の砂時計が消えるまでに13秒間短縮(36%短縮)された。
i-RAM (GC-RAMDISK)2個で RAID 0 を組んで同様のテストをしてみたところ、スタートアップ内のファイルが開くまでに22秒でカーソルの右下の砂時計が消えるまでに28秒であった。2個の RAID 0 の i-RAM で元のHDDを換装することによって Windows XP のOS部分の起動時間は、スタートアップ内のファイルが開くまでに10秒間短縮(31%短縮)され、カーソルの右下の砂時計が消えるまでに8秒間短縮(22%短縮)された。
2個の RAID 0 の OCZ SSDで 2個の RAID 0 の i-RAM より Windows XP のOS部分の起動時間が短かったことは、ベンチマークテストの結果で劣る 2個の RAID 0 の OCZ SSDがより好成績を上げたという点でやや意外であった。実際に web閲覧などに使用した体感速度については 2個の RAID 0 の i-RAM の方が僅かながらいいような感触であった。(プチフリーズはなかったが、i-RAM の方がなめらかであった。)

最後に、SATAのHDD内蔵の DELL Vostro 1400 に、OCZ SSD (OCZSSD2-2C30G)を単体で元のHDDと置換えて Windows XP の起動テストを行った。

このテストで使用したノートパソコンのスペックは次の通りです。
 DELL: Vostro 1400
 CPU: Celeron 540 1.86GHz, 533MHz FSB, 1MB L2 cache
 Memory: ADATA DDR2 PC2-6400 2GB × 2枚
 Graphic card: Intel IGMA ×3100 内蔵グラフィック
 OS: WinXP SP2

DOCZ SSD(OCZSSD2-2C30G)を単体で DELL Vostro 1400 に SATA 接続で install して Windows XP の起動テストを行った結果:
SATAT1.5Gbps(150MB/sec)接続の Hitachi の160GB 5400rpmのHDD (Hitachi HTS542516K9SA00)でスタートアップ内のファイルが開くまでに 22秒でカーソルの右下の砂時計が消えるまでに24秒であった。
バックアップファイルを OCZ SSDにコピーして Windows XP の起動テストを行ってみたが、起動して OS が一旦立ち上がって Windows のロゴの画面にまで進んだが、そこですぐに青色のエラー画面になってしまった。
また、Windows XP を新規にインストールしようとしてみたが、「このディスクにはアクセスできません。」というメッセージがOSインストール中に SSD をフォーマートするところで出て次に進めず、新規インストールも不可能であった。
結論的には、OCZ SSDを DELL Vostro 1400 のノートパソコンに Windows XP をインストールしてシステムドライブとして使用することは、相性問題で不可能であった。

SSDとパソコンもしくはOSとの相性不良問題としては旧式のパソコンでのトラブルや、ベンチのデータから最新と考えられるパソコンでのトラブルを記載しているサイトもある。

デスクトップパソコンでは OCZ SSDをシステムドライブとして使用することができたので、相性問題はDELLが意図的にそう設定していることも考えられる。もし、この相性問題を解決してくれれば、私の5万円代で購入した DELL Vostro 1400 ノートパソコンが、プラス9,495円で40万円ほどのメーカー製SSDノートパソコンと同程度の性能になったと思うと残念でならない。SONYは良心的で、VAIOをお買いあげになったお客様には「HDDからSDDへの換装」サービスがあり、¥66,150から¥171,150で1〜3年間の保証サービスまである。ヨユーの方には便利である。(ただし「他社製コンピューターへのSSDアップグレードサービスはお受けできません。」と書いてあります。)

上記の実験はこのホームページを最初にアップロードした2008年11月29日の2〜3日前に行ったが、後日(2009年3月22日)、 DELL Vostro 1400 のノートパソコンに OCZ SSD をシステムドライブとして用いて Linux ubuntu をインストールしてみた。今度はデスクトップと同様に簡単に15分15秒でインストールできました。起動時間は、BIOS画面終了後、火星の表面のような ubuntu のデスクトップ表示までが24秒で、有線ネットワークの接続が確立したことを示す表示がでるまでが44秒で、円形のカーソルが矢印に変わるまでが49秒であった。
YouTube の閲覧などもとても軽快にできて高速であった。
ノートパソコンの作動音は無音になった。(サウンドカードのドライバーはもちろん機能していて音楽などは楽しめます。)

OCZ SSD をデスクトップパソコンで用いたときのすばらしい性能を考えれば、今後 SSD はパソコンのメイン・ストーリッジ・デバイスになることは十分予測できる。SSDの問題点今後の展望についてはそれぞれのリンクをクリックしてください。

相性問題解決と不良ブロックを正確に除去する技術が確立されれば SSD の時代が到来することが予感される。

2009年4月10日 OCZ Vertex のサイトもアップしましたので、関心のある方は下のNEXTをクリックして次のページをご覧下さい。 (2009年6月14日uploadしたHyperFastのページに他のseriesのOCZ SSDのベンチ結果もあります。)


(2010年11月22日追記: 当時は32MB以下のSSDしか持っていなかったが、後日、大容量のSSDを用いて元のHDDのクローンSSDを作ってみると大容量SSDでは起動し、その大容量SSDでOSのパーティションのサイズを32MB以下に縮めて再度OCZ SSDにコピーするとちゃんとWindowsも起動するようになった。)



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