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Toshiba SSD HG2 Series & HG3 Series Benchmarks 



On this site:

  • §1 HG2 Series Benchmarks: HG2 Series THNS128GG4BBAA (FW AGTA0104)
  • §2 実用テスト (Real-World Behavior): HG2 Series THNS128GG4BBAA (FW AGTA0104)
  • §3 新旧ファーム比較の追加測定 (New FW for HG2): HG2 Series THNS064GG2BBAA (FW AGYA0201)
  • §4 HG3 Series Benchmarks: HG3 Series Kingston SVP100S2/96GB (FW CJR10202)



  • 2009年9月20日に待望の Toshiba SSD HG2 SeriesTHNS128GG4BBAA) がオークションで入手できたので、2009年9月23日にベンチマークテストを行ってみました。これは2008年12月12日に「SSDのRAID実験」をした結果をホームページにしているさなか2008年12月18日に発表され、当時としては信じられないほどの高速性と512GBの大容量のMLCのSSDが製品化される予定とのことで、SSDのRAID実験のページの最後に「未来のSSD」として紹介したSSDである。デスクトップの場合はOSのみSSDに入れればよいが、ラップトップでは、やはり容量が大きい方がよいという人もいるであろう。発表から9ヶ月経ってやっと購入することができ、下記のようなベンチマーク測定結果が出ました。

    Test System:
     CPU: Core 2 Duo E8600 3.33GHz, 1333MHz FSB, 6MB L2 cache
     RAM: Samsung M378T5663RZ3-CF7 DDR2 PC6400 2GB × 4枚
     Northbridge: Intel P45
     Southbridge: Intel ICH10R
     Motherboard: GIGABYTE EP45-DS3R
     Boot HDD: HDS721616PLAT80 (Hitachi 7200rpm 160GB UltraATA133)
     GFX: GIGABYTE GeForce 7300GS (nVIDIA 7300GS)
     Powered by: GOURIKI-P-550A
     OS: WinXP SP2


    §1. HG2 Series (FW AGTA0104) Benchmarks

    @最初に、CrystalDiskMark の計測サイズを100MBとして、フォーマットするファイルシステムを @a FAT32・@b NTFS と変えてベンチマーク測定を行ってみました。

    (このセクション(§1)と次のセクション(§2)は、すべて旧ファーム「AGTA0104」のテスト結果です。新ファーム「AGYA0201」の結果はこちらです。)


    @a 100MB FAT32 @b 100MB NTFS

    @FAT32とNTFSのベンチ結果ではJM系のSSDのようなフォーマット間のベンチ結果の差はなく、ほぼ同等でした。CrystalDiskMarkの 100MBでの計測結果は、FAT32の Sequential Read が 230.5MB/s で Sequential Write が 166.3MB/s で、NTFSの Sequential Read が 232.2MB/s で Sequential Write が 159.2MB/s でした。

    A次に、CrystalDiskMark の計測サイズを1000MBとして、フォーマットするファイルシステムを Aa FAT32・Ab NTFS と変えてベンチマーク測定を行ってみました。

    Aa 1000MB FAT32 Ab 1000MB NTFS



    ACrystalDiskMarkの計測サイズが1000MBの場合も、FAT32とNTFSのベンチ結果ではJM系のSSDのようなフォーマット間のベンチ結果の差はなく、ほぼ同等でした。CrystalDiskMarkの 1000MBでの計測結果は、FAT32の Sequential Read が 235.6MB/s で Sequential Write が 189.1MB/s で、NTFSの Sequential Read が 233.3MB/s で Sequential Write が 195.2MB/s でした。東芝のサイトで公表されている公称速度「読み出し速度最大240メガバイト/秒、書き込み速度最大200メガバイト/秒」をほぼ満たす値が得られました。

    右の写真は、THNS128GG4BBAAの内部基板の写真で、NAND flashの製 品番号はとても不明瞭で判読困難であったが、「TH58NVG7D7EBAKO」と書いてあるように見え、16GBのNANDチップが8枚入っていた。

    (cf. ITproの記事の写真の説明では、512GBのSSDの内部基板には「43nmプロセス、2ビット/セルのフラッシュメモリーとフラッシュコントローラーを両面実装」と書いてあるので、512GBのSSDの場合はNANDチップ1個の容量は32GBである。)

    Controller chipには「TOSHIBA T6UG1XBG」と印刷してあり、その写真左に「9EA17 09HSJ」という型番のDRAMが搭載されていた。

    512KBと4KBの書き込み速度がCrystalDiskMarkの計測サイズがAの1000MBの場合に@の100MBの時より低下していることから、最新のSSDに搭載されている十分な容量のDRAM cacheが搭載され、プチフリが起こらないように設計されている事がわかる。

    最近のSSDは 4KB Read の値が概ね20MB/sで各製品はほぼ同じレベルなので、OSの起動速度はほとんど同じと推定される。 4KB Write の値は多くの製品で7〜12MB/sあり、実用的にはこれだけあればPC使用時の体感速度は十分高速である。Intel X25-Mなどのみが 4KB Write が55〜65MB/sあるが、これはブラウザーのcacheをRamdiskに移さない使用方法の方で高速化に役立ち、あとHddLed Indicatorでよく観察するとわかるとおり、OS起動画面が立ち上がってしまったあとにまだ砂時計が動いている間、読み出しデータ量は増えないのに書き込みデータ量のみが増えていることから起動ログが記録されている時間と推測され、この時間がIntel SSDの場合は短縮されていると考えられる。



    §2. 実用テスト (Real-World Behavior)

    B最後に実用試験として、「読書交錯遅延倍率(DelayRatio)」(仮称) の測定を行ってみました。
    実験方法の詳細についてはリンク先をご覧下さい。

    Ba Toshiba SSD (THNS128GG4BBAA) MLC 128GB 1個単体の結果:
    「コピー&ペースト(C&P)」2回の用手計測データ: 68.37s 66.47,「Write(W)」23.83s 23.06s,「Read(R)」26.87s 25.96s
    「コピー&ペースト(C&P)」平均値: 67.42s,「Write(W)」23.45s,「Read(R)」26.42s
    RAM disk の読み書き分を引いて 「コピー&ペースト(C&P)」67.42s,「Write(Wnet)」22.63s,「Read(Rnet)」25.06s
    「読書交錯遅延倍率(DelayRatio)」: 「読書交錯遅延倍率(DelayRatio)」=(C&P)/{(Wnet)+(Rnet)}=(C&P)/{(W-0.82)+(R-1.36)}=1.41

    過去に同じ実験をしてみたSSDやHDDのデータを比較のため下に小さなフォントで再掲します。

    Bb OCZ Core V2 MLC 30GB 1個単体 (JMF602):
    「コピー&ペースト(C&P)」2回の用手計測データ: 294.79s 292.55,「Write(W)」47.53s 47.97s,「Read(R)」36.79s 31.25s
    「コピー&ペースト(C&P)」平均値: 293.67s,「Write(W)」47.75s,「Read(R)」34.02s
    RAM disk の読み書き分を引いて 「コピー&ペースト(C&P)」293.67s,「Write(Wnet)」46.93s,「Read(Rnet)」32.66s
    「読書交錯遅延倍率(DelayRatio)」: 「読書交錯遅延倍率(DelayRatio)」=(C&P)/{(Wnet)+(Rnet)}=(C&P)/{(W-0.82)+(R-1.36)}=3.69

    Bc OCZ Vertex MLC 30GB 1個単体:
    「コピー&ペースト(C&P)」2回の用手計測データ: 156.33s 156.08,「Write(W)」47.30s 45.18s,「Read(R)」24.88s 21.88s
    「コピー&ペースト(C&P)」平均値: 156.21s,「Write(W)」46.24s,「Read(R)」23.38s
    RAM disk の読み書き分を引いて 「コピー&ペースト(C&P)」156.21s,「Write(Wnet)」45.42s,「Read(Rnet)」22.02s
    「読書交錯遅延倍率(DelayRatio)」: 「読書交錯遅延倍率(DelayRatio)」=(C&P)/{(Wnet)+(Rnet)}=(C&P)/{(W-0.82)+(R-1.36)}=2.32

    Bd Intel X25-M (G1) MLC 80GB 1個単体:
    「コピー&ペースト(C&P)」2回の用手計測データ: 72.05s 72.04,「Write(W)」55.58s 54.07s,「Read(R)」25.55s 25.57s
    「コピー&ペースト(C&P)」平均値: 72.05s,「Write(W)」54.83s,「Read(R)」25.56s
    RAM disk の読み書き分を引いて 「コピー&ペースト(C&P)」72.05s,「Write(Wnet)」54.01s,「Read(Rnet)」24.20s
    「読書交錯遅延倍率(DelayRatio)」: 「読書交錯遅延倍率(DelayRatio)」=(C&P)/{(Wnet)+(Rnet)}=(C&P)/{(W-0.82)+(R-1.36)}=0.92

    Be Samsung MCCOE64G5MPP-0VA SLC 64GB 1個単体:
    「コピー&ペースト(C&P)」2回の用手計測データ: 94.61s 94.22,「Write(W)」46.81s 48.01s,「Read(R)」46.00s 48.78s
    「コピー&ペースト(C&P)」平均値: 94.42s,「Write(W)」47.41s,「Read(R)」47.39s
    RAM disk の読み書き分を引いて 「コピー&ペースト(C&P)」94.42s,「Write(Wnet)」46.59s,「Read(Rnet)」46.03s
    「読書交錯遅延倍率(DelayRatio)」: 「読書交錯遅延倍率(DelayRatio)」=(C&P)/{(Wnet)+(Rnet)}=(C&P)/{(W-0.82)+(R-1.36)}=1.02

    Bf HDD (HDS721616PLAT80) 1個単体:
    「コピー&ペースト(C&P)」2回の用手計測データ: 199.06s 200.82,「Write(W)」64.82s 62.62s,「Read(R)」57.04s 63.57s
    「コピー&ペースト(C&P)」平均値: 199.94s,「Write(W)」63.72s,「Read(R)」60.31s
    RAM disk の読み書き分を引いて 「コピー&ペースト(C&P)」199.94s,「Write(Wnet)」62.90s,「Read(Rnet)」58.95s
    「読書交錯遅延倍率(DelayRatio)」: 「読書交錯遅延倍率(DelayRatio)」=(C&P)/{(Wnet)+(Rnet)}=(C&P)/{(W-0.82)+(R-1.36)}=1.64


    B実用テスト結果の考察:

    a) 読書交錯遅延倍率(DelayRatio)はプチフリの原因である読み書きが交錯した場合の転送速度の遅れが何倍になるかの計測で、DRAM cacheが搭載されている場合は問題ないが、ANS-9010ではデスクトップ上で作業画面のフレームの位置を移動する際に全くひっかかりがなく滑らかであるが、SSDではひっかかることがよくある事から考えると、PC操作のスムーズ性を推測する上で依然重要な指標である。この数値は下記の通りです。(数値が小さい方が操作性がスムーズでよい。)

    JMF602(3.69) > Vertex(2.32) > HDD(1.64) > Toshiba SSD(1.41) > Samsung SLC(1.02) > X25-M(0.92)

    JMF602 と Vertex は HDD より悪かったが、Toshiba SSD は X25-M や Samsung SLC と並んで HDD より良いグループに入り、とても使いやすいと推定される。

    b) 実際に 4,194,304KB のファイルを同じドライブ内でコピー&ペースト(C&P)に要した時間では下記のようになり、Toshiba SSDが最速であった。(秒数が小さい方が実用上高速)

    JMF602(293.67秒) > HDD(199.94秒) >Vertex(156.21秒) > Samsung SLC(94.42秒) > X25-M(72.05秒)> Toshiba SSD(67.42秒)

    Toshiba SSD は公称最大転送速度や CrystalDiskMarkのベンチ結果が一見 Indilinx系のSSDによく似ているように見えるが、今回の実用テストの結果を見ると両者は似て非なる物で、Toshiba SSD HG2 Series が優れている。

    連続書込速度が遅い点が Intel X25-M の唯一の弱点であるが、Toshiba SSD HG2 Series にはそれすら見当たらない。
    システム用途のみならず、連続書込速度が速いため、DVD・Blu-ray・ISDB・OSバックアップファイル・YouTube動画・一眼レフ高画質デジカメ写真などのデータを大容量保存用高速ハードディスクと相互転送する際にもとても快適である。




    §3 新旧ファーム比較の追加測定 (New FW for HG2)(2009年11月7日): 上記のオークションで購入したSSDは2009年6月より発売されていたノートパソコンより取り外してオークションに出品したらしく、firmwareは「AGTA0104」でCrystalDiskInfoの表示でもTRIM非対応である。
    一方、2009年10月下旬よりI-O DATAから発売されているSSDの最新firmwareは「AGYA0201」でTRIMにも対応しており、2chで書込みされるベンチマークは旧ファームと新ファームでやや違いがあるように思えた。

    旧ファーム 新ファーム

    C そこで、2009年11月7日、I-O DATAから発売されている Toshiba SSD 64GB (SSDN-ST64B)を用いて、ベンチマーク測定を行ってみた。
    NTFSとFAT32で大きな差がないので、NTFSのみで100MBと1000MBでベンチ計測を行った。

    Ca 100MB NTFS Cb 1000MB NTFS

    C I-O DATAから発売されているSSDの新firmware「AGYA0201」では、Random Write 4KB の転送速度が大きく向上していた。ブラウザーでのweb閲覧や日常業務の100MB以下の作業ではベンチ的にもIntel SSDと同等の速度がある。

    結論: Sequential WriteはNAND素子が根本的に高性能でないと速くならないが、SWのベンチから東芝のSSDは高品質NANDを搭載していることがわかる。RW4KBはToshiba SSDではfirmwareの設定によって自由に速度調節できるようでこれも高速化されており、新firmware「AGYA0201」のToshiba SSD HG2 Series は、Sequential も Random も両者共高速であることがわかった。

    Toshiba SSD HG2 Series はX25-M G2やSamsung SSDのような著明な速度低下はなく、XP・Win7・LinuxなどのOSを問わず、Intel・AMDのCPU(southbridge)も問わずメンテナンス・フリーで速度が安定している。
    また、Toshiba SSD HG2 Series は 「実際に書き込める容量がドライブ公表値を下回る寸前になった場合には、リードオンリーモードに移行し、最悪の場合でもユーザーはそこまでのデータを失うことがない。」との開発者のコメントがあり、データを全喪失するリスクが低く安心安全である。
    HG2の安定性については、国立天文台・工学博士の方が同じ256GBのSSDどうしを使用して比較し、RealSSD C300は十数台のうちの1/3が起動不能になったのに対し、Toshiba HG2では10台以上のすべてが正常に稼働していると記載している。
    私がここに写真を載せたHG2も、ベンチ測定実験後は重要な業務用に選別して実使用しているが、errorもdata lossも1度もなく完全正常作動している。

    (リードオンリーモードになった場合には、そのSSDはaccess logが書き込めなくなったWindowsで読みとるのではなく、クローニング・ツールでSSD全体を新しいSSDにディスク・コピーしてデータを回収しなければならない。実際の運用面では、NAND flashの寿命が近づくとリードエラーレートが上がったことを示す数値が100から正確に下がり始めるので、その時点で新しいSSDに換装すればさらに安心である。)

    DriveLatencyCheckerでファイルへのアクセス速度を計測すると、RealSSD C300では1500msのaccess latencyが時折出現して使用時に引っかかり感があるが、Toshiba HG2ではそれがないと報告されている。
    以前から言われていたC300のプチフリは「resource monitor」の「ディスク」の項目の「応答時間(ミリ秒)」でも確認することができ、Crucialも新しいfirmwareを開発中であるが、Toshiba HG2/HG3の方が応答時間が短くプチフリしない。

    Indilinxで10回以上、X25-M G2で5回をはじめとして、SandForceやC300で何度もfirmware updateがなされて、自社で検証しきれないfirmwareのbugを有料人柱に検証させているようであり、ベンチ測定実験中ならよいが、業務に使用してからでは対応が面倒なことになっていやになってくるが、東芝のSSDは開発後1年以上をかけてbugを取り除いてから発売してくるので、業務でも安心して使用できる。



    §4 HG3 Series Benchmarks (Dec. 5th, 2010)


    D2009年7月より東芝は四日市工場で32nmのNAND flashの生産を開始していたが、これを搭載したと思われるHG3 SeriespdfNov. 2nd, 2010にKingstonからアメリカAmazonで発売され、Nov. 30th, 2010より日本のAmazonでも発売になった。円高で日本での予想販売価格より割安と思われたのでN.Y.の最安ショップに試しに11月23日に発注してみた。9日後の12月2日(現地時間)に発送され、その3日後の12月5日に到着した。HG3 Seriesのcontroller chipはHG2 Seriesと同じ「T6UG1XBG」であるが、firmwareは「CJR10202」となっている。
    下のscreen shotは初回通電直後初期化前のCrystalDiskInfoである。
    (上記のTest systemのうちboot driveのみHDDからIDE modeのSSD -CSSD-PM32NL- に変わっている。)

    HG3 Series Kingston SVP100S2/96GB (CDI in English)

    2010年12月5日にKingston販売の Toshiba HG3 Series SSD 96GB (SVP100S2/96GB)を用いてベンチ測定を行った。

    Da 100MB NTFS Db 1000MB NTFS

    Sequentialは読み書き共にHG2 Seriesより向上し、Random Write 4KBも 100MBテストで63.84MB/s、1000MBテストでも40.10MB/sと向上している。

    Real-World behaviorについては、今は無きMTRON時代からの「旧筆頭人柱の」YUKIさんは、HG3はC300やX25-Mと比較して、(使用中無反応になる)引っかかり感が最小で「今まで使った中で一番いい」と実験報告しています。さらに実測実験後の考察でYUKIさんは、NCQで大量のデータを書き込むのはベンチ上高速であっても、少量のデータを書き込む場合には他のコマンドの要求を待つlatencyが余分にかかるため、実用操作上は引っかかり感が発生するとの仮説を上げている。
    (元来"queuing"とは「待ち行列」という意味で、いかにも待ちlatencyが長そうな語彙である。)

    私はその「NCQリードのパフォーマンスが高い=ひっかかる」という仮説に追い打ちをかけてレスポンスを悪化させる因子として、queuingによって整頓せずに書き込まれたデータを読み出す際には、パケット通信のような細切れdataの集合体から微少なrandom dataを読み出す状況となって、latencyのみならずtransfer rateまで悪化した上さらに微細化された分だけread latencyを発生させる回数も増えるという相乗悪化効果によるcirculus vitiosusがあると考えている。 これ故、NCQベンチで高速でも体感で引っかかるという状況に陥る。
    私もYUKIさんと同様、NCQベンチの高いSSDは、使い込むうちに内部がNCQによる分割微細データで埋め尽くされ、GCが追いつかなくなった時点から操作時の引っかかり感が急速に顕在化してくるのだと思う。

    YUKIさんの仮説と私の追加考察がもし正しければ、他のページでFOBのSSDでの実験後に私はrandom 4KB QD=32のベンチは体感速度の判定に全く役に立たないと書いたが、さらに逆説的に、random 4KB QD=32のベンチが高いほど使い込んだあとのSSDの使用体感速度が悪化するとcynicalに言わざるを得ない。使用期間の長いNCQ番長SSDを用いて、使用期間とaccess latency (read/write latency) の相関関係や各SSDにおける経時変化を調べれば証明できそうである。

    速度回復をOSやAHCI/IDE driverのTRIM通過性に依存するSSDはOSやchipset driverが変わるたびにtroubleが発生してfirmware updateを要するriskがあるが、OSに依存しないで速度回復機能をSSD自体に持っているToshiba SSDではそのriskはminimalである。
    2011年春以降、現在発売されているSSDを見ると、超高額商品以外ではToshiba HG3が唯一私にとって信頼して業務に使用できるSSDと思われる。(ディスコン商品ではX25-M G1とToshiba HG2がよかった。)

    OS用として用いるSSDはSATA IIで充分であり、SATA IIIはredundantである。

    SATA IIIが本当に必要なのは大きなデータ処理を要する場合であるが、25nmのshrink processで大容量のSSDやSATA III用として高速書込設定で書込まれたSSDのデータは、今度はRBERが指数関数的に高いだけではなく、データの正常保持期間も短く、後日データ化けしやすくなって情報喪失や起動不能の原因となるというdilemmaがあり、SSDがSATA IIIに対応したからと言って実質的にメリットがあるわけではない。
    (ただし、SATA III対応のSSDはベンチを測定して遊ぶための良いtoyではある。CPUのoverclockのようなもので、実用的ではないがマニアにとってはおもしろい。)



    (Both sequential read and write performances are better in HG3 series than in HG2 series.
    Random Write 4KB is 63.84MB/s in 100MB measurement and 40.10MB/s in 1000MB measurement, which is a tremendous improvement from the previous one.)

    (cf. Kingston SSDNow V+ series drives contain the same PCB with HG2 series drives and Kingston SSDNow V+100 series drives contain the same PCB with HG3 series drives, and this is somewhat confusing.
    Note that the photo and the product link in this benchmarkreviews.com site are 32nm process HG3 series' whereas the benchmarks linked are the ones of the 43nm process HG2 series.)