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SSD vs. HDD 


最近はやりの SSD (=Solid State Drive) がどの程度 HDD の代用として使えるかテストしてみました。
SDカード単体では読出および書込速度は遅かったのですが、SDHCカードになりやや高速になり、また Compact Flash カードも350倍速の高速の物まで販売されるようになってきました。
また、各社からSSD搭載パソコンも既に発売されているが、メーカー製のSSD搭載パソコンの実勢販売価格は25万〜42万円(2008年11月30日時点)と未だ高価である。2.5インチHDDと同じ大きさのSSDも発売されているが、これも2008年前半までは数万円から20万円以上もして高価であったが、2008年11月にはOCZで30GBで9,495円とか Silicon Power で32GBで8,400円のものが発売されていて価格低下が進んできている。

(このサイトは2008年10月5日に最初にuploadし、その後何度かupdate致しました。最新のSSDについては、このサイトでカバーしきれないので、新しいSSDなどのベンチ結果などについては下記の別のサイトを作成しましたので、関心のおありの方はそちらをご覧下さい。
PhotoFast CR-9000MtronOCZVertexSilicon PowerX25-MToshiba SSDJMF612SandForceenRealSSD C300 vs. PlextorenUEFIenOCZ+SPNTFS vs.FAT32RamDiskANS-9010Linux ubuntuWindows 7HyperFastRBERenAccess LatencyRandom 4KB QD=32
さらに高速性を求める方はこちらのRAIDANS-9010のRAID実験のページをどうぞ。
)

一方、PhotoFast社の「CR-9000」はSDHCカード6枚を用いて、「高速ストライピング機能(RAID 0)に対応」とあり、これなら実用レベルの速度が出るかなと思って購入してみました。PC Watchにも興味深いレビューがあり、2008年8月の時点で価格も1万円以下だったので当時私でも買うことができました。
比較のために、従来の IDE 接続の HDD についても読出および書込速度測定してみました。
また、i-RAM も SSD なので、RAID を組まない i-RAM 単体でのベンチマークテスト結果も入れてあります。
SSDの利用方法として、結論的にはASUSのEeePCが実用的に有用だと思ったので、そのテスト結果を入れました。

最初に使用したパソコンのスペックは次の通りです。
 CPU: Pentium4 3.2GHz, 800MHz FSB, 2MB L2 cache
 RAM: DDR PC3200 1GB × 2枚
 Chipset: intel 865/ICH5 (BioStar IDEQ ベアボーン付属マザーボード)
 OS: WinXP

@まず、UltraATA100(100MB/sec)接続で取付けてある私のハードディスクの性能を調べてみました。
Maxtor 4R120LO (120GB 5400rpm) です。

1世代前のパソコンでハードディスクも5400rpmなので、読み書き共に40MB/secでした。HDDは回転するディスクにデータを書込む特性上、結果は不安定な部分がまじります。


A次に、SSD の 「CR-9000」 内に PhotoFast社純正の16MBのSDHCカード(「Dual Channel 高速処理」と銘打ってある。)を6枚差し(CR-9000内部でRAID構成)にしてテストみました。「CR-9000」の接続方法はSATAT1.5Gbps(150MB/sec)です。

読出速度は常用のHDDに比べて2倍速くなりましたが、書込速度は1/4程度でした。テスト用のファイルサイズは一般のデジカメ写真程度のサイズとして4MBを選択しました。


B接続方法の違いで読み書き速度が変わるのか知りたかったので、今度はHigh Speed USB (USB2.0 480Mbps(60MB/sec))接続で、Aと同じPhotoFast社の16MBのSDHCカード6枚差し(CR-9000内部RAID)を用いて実験してみました。

PhotoFast社の16MBのSDHCカード6枚差し(CR-9000内部RAID)で、「CR-9000」の接続方法をSATAからUSB2.0にした場合、読出速度のみが1/4程度に低下しました。読出速度についてはSATAT1.5Gbps(150MB/sec)の転送速度がUSB2.0 480Mbps(60MB/sec)の転送速度より速いことから、USB接続にすることによって読出速度が落ちるのは理解できますが、書込速度が同じという点は興味深く感じられました。


CSDHCカードの寿命が来ても最も安価に交換できるようにと考えて、ADATA4GBの6枚差し(CR-9000内部でRAID構成)で「CR-9000」をSATA接続してテストしてみました。

SATA接続時のPhotoFast社純正16GBSDHCカード6枚使用時と同じ結果が出ました。「Dual Channel 高速処理」のメリットをこのファイルサイズでのテストでは享受できないと思いました。


DPC Watch のレビューで使われたTranscendのSDHCカード6枚差し(CR-9000内部RAID)で「CR-9000」をUSB2.0接続でテストしてみました。

この接続で書込速度が最速でした。SSDは接続方法や接続機種と相性があるらしい。このため、あとで別のスペックのパソコンでテストする必要性もあると感じました。


ESSDとして Compact Flash カードも350倍速まで出れば、システムドライブに使えるかなと思い、ADATAの16GB350倍速のCFカードとHagiwaraの1GB300倍速CFカードをUSB接続でテストしてみましたが、私の測定環境ではどちらもあまり高速ではなく、他にテストしてみたCFカードで最も速かったのはTranscendの32GB133倍速でした。価格的にも最善のコストパーフォーマンスでした。Compact Flash カード1枚のみでUSB2.0接続した場合のテスト結果です。

最高速と言っても、PhotoFast「CR-9000」では内部で6枚のSDHCカードが「RAID 0」になっていて理論的には6倍高速なので、1枚だけのCFカードでは PhotoFast「CR-9000」の6枚差し(CR-9000内部RAID)の読書速度には及びません。


F念のために私がシステムドライブとしてメール用に利用しているRAIDではない単体のi-RAM4GB(メモリーは1GBを4枚でNon-RAID構成で設置)の速度を測ってみました。

やはりGIGABYTEの i-RAM は別格の性能です。
4GBのi-RAMをシステムディスクに1個単体で使用したときのOS起動時間の flash video をご覧下さい。

BIOSの立ち上がりを除いたWindowsXPのOS部分の起動時間は16秒でした。
WindowsXPのOS部分の起動時間に関しては flash video で比較する限り、SanMax製高級RAIDカードで RAID 0 を構築した超最新のANS-9010でのOS立ち上がりに比べても、i-RAM単体でのOSの起動時間はほとんど遜色がありません。


話は元に戻って、NAND型のフラッシュメモリーがシステムドライブとして実用的かどうか、ベンチマークテストを終えて実践テストを行いました。私が所有しているSATAのノートパソコンは DELL Vostro 1400 のみです。PhotoFast, Transcend, ADATA のSDHCカードを利用してテストしてみましたが、AcronisでバックアップファイルをコピーしてOSが立ち上がったのは、4種類のSDHCカードのうちADATAの4GB6枚差しのみで、あとは立ち上がりませんでした。PhotoFast「CR-9000」にWinXPをインストールすると3〜4時間かかるらしいことは他のホームページに書いてあったので、元のDELLのハードディスクのバックアップデータをコピーしてOSを「CR-9000」にインストールしてみましたが、たったの2分30秒でコピーできたことは驚きでした。
立ち上がったものもインターネットの閲覧中に細かいキャッシュやログデータの書込処理に時間がかかってIEが接続を中止してしまいウェブ閲覧にも使用できないため、PhotoFast「CR-9000」を DELL Vostro 1400 のシステムドライブとして利用することはあきらめました。他社のノートパソコンで相性が良ければ実用的であることは十分予測できますが、高額でソフト満載のノートパソコンは所有していないので、実用実験はこれで中止しました。
SSDとパソコンもしくはOSとの相性不良問題としては旧式のパソコンでのトラブル最新パソコンでのトラブルを記載しているサイトもありますが、メーカー製品の品質と信頼が必要な場合は、SONYの「HDDからSSDへの換装」サービスがあり、¥66,150から¥171,150で1〜3年間の保証サービスまであり便利だと思います。(ただしヨユーの人にとって)

何十万円もする高価なSSDではトンネル酸化膜に寿命が来て使えない部位ができると大金を失うか容量が小さくなったのち低速化する気がするので、PhotoFast「CR-9000」なら破損したSDHCカードだけを交換すればよく、システムドライブに用いても補修費用が安くついて PhotoFast「CR-9000」のアイデアはとてもすばらしいと思いましたが、実用テストでうまくいかなかったことはとても残念でした。80万円のRAIDカードと6千円のRAIDカードではcontrollerの性能と書込みのためのcacheの量と速度に差があることを考えれば、1万円以下の「CR-9000」にあまり期待しすぎたのがよくなかったのかもしれない。しかし、安価なSDHCカードを用いるこの商品はコンセプトはとてもすばらしいので、書込速度の高速化という点を改善すれば売れると思います。ちょっとしたショックでヘッドがディスクに当たってしまって破損してしまうHDDに比べて、SSDは同じような損傷が起きないため、SSDは持ち運びに有用性が高いと考えて、今は大きなデータを持ち歩きたいときに PhotoFast「CR-9000」が使い道があるのかなと割り切って考えています。

それでも気になるはやりのSSD。店頭のデモ品ではASUSのEeePCは素早い立ち上がりとWeb閲覧が可能でした。一番安い物を購入して実験してみました。常用ソフトはすべてインストールできました。純粋なSSDの性能を測るためには、BIOS部分の時間を除いてOSの立ち上がり部分を測定することが性能の比較に重要と考えて、OSの立ち上がる様子の動画も作ってみました。

Gどんな速度のフラッシュメモリーが入っているのか興味津々!
テスト結果です。(ASUS EeePC 内の SSD)

読出速度はそれほどでもないのに、書込速度は普通のフラッシュメモリーの2倍ほどあるから実用的なのでしょうか?とっても気に入りました。これならHDDに比べてショックに強く、本体も小さいため持運びに便利かなと思いました。

i-RAMのような超高速というわけにはいきませんが、EeePCに常用ソフトをインストールしたあとのOS起動時間の flash video をご覧下さい。

NAND型フラッシュメモリーを用いたSSDでのOSの起動時間は41秒で、HDDやRAM-diskとも言われるi-RAMよりは遅いのですが、この flash video の程度ならSSDでもHDDの代用として使用することは可能と言えるでしょう。


NAND型フラッシュメモリーを用いたSSDには使用上の注意点があります。それは書き込み回数の制限です。NAND型フラッシュメモリーでは10nmの厚さ酸化絶縁膜(=トンネル酸化膜、tunnel oxide)を通して電子が出入りするので、酸化絶縁膜が劣化すると寿命ということになります。最上限は100万回と言われています。しかし、製品の安定性を考えると10万回1万回となり、SLCで10万回・MLCで1万回と耐久性を評価しているサイトもあります。毎日NAND型フラッシュメモリー使用のSSDをシステムドライブに使うとどれほどの耐久性があるのか、はっきりしていないようであるが、実用的には、1年間毎日使っていてもまだ大丈夫だったというサイトもあったし、買って1ヶ月で壊れたと言っているサイトもある。 1個のNAND flash memory cell に Erase / Program cycleを1分ごとに行っただけでも1週間で 60x24x7=10,080 cycle となりMLC memory cellのlifetimeが終了するわけであるから、しっかりしたwear levelingを行ってSSDの寿命を長くすることが必要になってくる。(HDDでも本来欠損ブロックをリフレッシュという上書きやオートリアサインで回避しながらデータを記録している。) 

SSD全体としてみれば書込場所を分散してSSDを長寿命化すれば、不良セルや不良ブロックが増えてSSDの容量が減るのはしかたがないとしてもSSD自体の全体としての寿命は長くなることになり、実験的には、515万回の書き換えができて予想より多かったというサイトもあるし、MLCで10,000回の書き換えが期待されているのに7544回や3629回で壊れてしまって予想より短かったというサイトもある。しかもその時の壊れ方が突然で予兆が1度しかなかったというから1度ぐらいのエラーならよくある話なので、ウェアレベリング (wear leveling)機能と不良ブロックの消去により容量が減少しながらSSDは寿命が来ると想像されていても、案外、SSDの壊れるときの最後の姿はHDDと同じで突然死のようなこともあるかもしれない。SSD耐久テストをしている方は2008年12月8日に「快適な速さで壊れていく。」と書いています。どうしてもSSDを日常使いたいという方でパソコンをインターネット閲覧に使用したい方はせめてIEやFirefoxのキャッシュだけでも下記の RAM disk に移動させておいた方がSSDを長持ちさせることができるでしょう。

SSDの今後の展望:

SSDの長所・短所はここによくまとめてあります。
また現時点での単体のSSDの実力を端的に示した動画もありました。i-RAMはPCIスロットの数に制限があり、ANS-9010は常時パソコンを起動させておくか別電源を確保する問題があり、ベンチマニアから見てもSSDなら簡単に RAID 0 で速度を上げられるので、1台のケースに収まったSSDパソコンでベンチの覇者になることも容易です。SSDに高速性能を期待する方にはSATA(300MB/s)より高速な PCIex8接続の 1500MB/sの転送速度の ioDrive というSSDがFusion IOから発売中です。 (さらに高速ベンチを手にしたい方は、ちょっとスレ違いになりますが、最新のマザーボードに8GBのメモリーを搭載しOSの管理外の部位に Gavotte Ramdisk で ramdisk drive を作れば爆速になります。PC起動時間短縮にこだわらなければ無料ソフトで最速のSSDを手にすることができ、他のSSDへの関心まで消えてしまうかもしれません。関心があればRamDiskのページをご覧下さい。)

また、SSDの耐衝撃性はすばらしく、YouTubeで3階から落下させてその直後にノートパソコンで起動させるCASIOのG-SHOCKのような実験の動画は多くのサイトで引用されているし、数値的には、OCZの"Shock Resistance"は「1500G, 0.5ms」と書かれているのに対し、HDDでは3.5inの物で「350G, 2ms」と17倍の差がある。ただし2.5inのHDDで優秀なものは「1000G, 1ms」と書いてあり3倍程度の耐衝撃性の差である。いずれにしても耐衝撃性が高いと言うことはモバイルパソコンにとって決定的に有利である。
昔2.2GBの「ORB」という当時としては劇的に高速な独自規格のストーリッジ・ディバイスがあったし、また、CompactFlash と同じサイズの CF+TypeU スロットに適合した マイクロドライブ (Microdrive) という製品があって大容量に驚いたが、今ではどちらもゼロスピンドルのフラッシュメモリーに取って代わられている。この経緯を考えると Seagate にとってはおもしろくない話かもしれないけれど、HDDがSSDに一部移行するのは今後の流れであると思う。現時点ではSSDを実用的なレベルにまで高速化するには書込みのcontrollerにお金がかかるので、SSDはHDDにコストパーフォーマンスで太刀打ちできない。(ただし、SSDにパソコン本体以上の金額を投じてもよければ、高速なSSDノートパソコンも現存する。 Mtron Samsung

Googleなどの優良大企業ではサーバーをSSDに置き換え始めている。サーチエンジンは書換えよりも読出しが多く、しかも読出しが高速なのでSSDにとって打ってつけの利用方法で頭のいい利用方法だと思う。また、若い世代の携帯電話マニアが携帯電話を2〜3年使い続けてフラッシュメモリーが壊れたと言う話も、あまり飲食店では聞かない。(飲み過ぎて忘れただけかもしれないけど。)
実際に書込回数を測定実験して515万回の書き換えができたとか、200年864年持つという極端な楽観論もあります。

小サイズデータの random write が遅いと Windows が俊敏に反応できないのは、私たちがエクスプローラーで見れないところに詳細なログを細かく記録していることが原因だと思う。もしこれがなければ、携帯電話のように非力なCPUと単純なフラッシュメモリーでも、パソコンサイトのブラウジングができる。Linuxではログを書込まないように設定ファイルを書き直すこともできるし、その機能もGUIレベルで操作できるようになっているので、SSDを実用的にするためにはOSレベルでの対応も有効な要素の1つであると思う。

オリジナル設定のままの Windows Vista はマルチプルコアCPUを前提として開発されユーザーの知らない間のバックグラウンドでの作業が多くSSDととても相性が悪いが、Windows 7 ではとても仲良しになりそうな期待がもてます。(しかし、FAT32では行っていなくてNTFSでは「信頼性向上」のためにファイル1つ1つの書込みまでジャーナリングファイルシステムトランザクションログ に記録しているが、Windows 7 ではどうなるのでしょう。SSDではWindows上で読み書きが交錯すると私の実験ではこんなに遅くなります。DelayRatio=3.69)

いわゆるプチフリ(=プチフリーズ:ファイルコピー、圧縮解凍、YouTube視聴などでの数秒〜数十秒のHDD用アクセスダイオードが点灯したままのフリーズ。 最新PCでも起こる具体例 )は、私のMtronやOCZの WinXPベンチマーク実験システムでは、OSが勝手にバックグラウンドで書込作業を行う機能の設定を可能な限りオフにし RAID 0 にし、実験段階では新品であったためか発生しなかったが、OCZなどでは使い込んだり設定が悪かったりすると頻発すると考えられるので、Vistaでの対処方法XPでの対処方法が参考になるでしょう。ただし、種々の対策を行っても無効でSSDの使用をあきらめてHDDに戻したという方もいらっしゃいます。私はOSをLinuxにするのもプチフリ対策の1つだと考えています。

プチフリの原因としては、JMicronのJMF602 controller(+Samsungの MLCチップ)搭載SSD(OCZ, Super Talent, Buffalo, Transcend, Silicon Power, CFD, etc)で読出しと書込みが同時に起こると発生しやすいとされ、書込遅延を実際に計測しているサイトもある。JMicronも今後の新製品では Intel のSSDのようにDRAMキャッシュを積むなどしてcontrollerを改良予定である。 (JMF602非搭載でプチフリしないという例。) 新型controller(JMF612)の搭載を待たなくてもRAIDで改善させたり、実際にWindows上で読書交錯遅延がどの程度起こっているか実験してみたので、関心のある方はSSDのRAID実験のページの実用テストの所をご覧下さい。

プチフリーズは発生メカニズムにもよるが、JMF602特有の問題ではなく長期間使ったSSDでは今後すべてのSSDで発生することもありうると予想される。不良セル(8KB)が発生するとそれを含む不良ブロック全体のデータをECC機能のバックアップデータからリカバリーして以前のエリアから新しいエリアに移動しその不良ブロック(一般に512KB単位)を無効なブロックとしてアクセス不能にする約200msの作業を挟む必要があるからだ。SSDが新品のうちは頻度が少ないが、終末期にそれが集中発生したときにcontrollerがさばききれるのか確たる保証はない。
(2009年5月10日の2chの書込みでも Intel X25-M で「明確にプチフリを体感してる」と言っている人も出始めてきました。2009年6月27日の2chの書込みでは、2年前に10万円を投入して購入したSamsung SSDでJM並のプチフリが発生しまくっているという報告も出ました。)
初期の場合はたぶんデフラグで一旦しばらくは解決できるかもしれない。EeePCを長期間使ってプチフリ状態になった方がデフラグで一時解決したという意見が2008年頃までは多かったが、2009年6月の時点ではHDDEraseDefragglerが良い無料ソフトであるという意見が多い。

プチフリ解決の新しい話題としては、 Georgia Tech College of Computing ( 801 Atlantic Drive, Atlanta, GA 30332-0280,USA Phone: (404) 894-3152)の Hyojun Kim が2009年3月16日に試作した FlashPoint があり、しばらく使ってみて、これが最高の解決策のように思えてきています。
Windows XPのみ対応の試作段階ですが、原理は32MBのRAMをSSDの書き込みバッファーに利用するというもので、既に効果が確認されているOCZのVertexに書込み用DRAMキャッシュチップを搭載した対処方法と発想が似ています。mirror,description, cache, pdf for USB !)
Vertexは値上げされ Core Series V2 の生産も終了していますが、 格安SSDを Vertex 以上の性能に引き上げることができる potential を秘めたソフトです。実際に使った方のプチフリが消えたというコメントです。この結果では、4KBの Random Write が6MBになっているので、Intel SSDやVertex程ではないが、Samsung SSD 程には改善しているので、ベンチ上はプチフリSSDが余分なDRAMチップへの出費なしにソフト的に一昔前の鉄板SSD級に変化することになるので、画期的だと思います。 ATTO Disk Benchmark でも32KB以下の書き込み速度が4KBを中心として9MB/sに達するという実験結果があります。レジストリへの書き込みがあるので、きれいにアンインストールしたい方には FlashPointRemoval というツールがあります。
(その後、Petite Freeze Buster, TurboSSD, Mach-Driveなどの市販等の同様の書き込みバッファーソフトが発売され、より安定しているので、プチフリや速度低下でお困りの方はこちらをご覧下さい。)

SSDのプチフリ問題は書込みcacheにより解決されつつあるが、他にも、X25-M G2やSamsung SSDのように機種によっては使っているうちにすぐ速度低下してくるという問題があります。Win7 に搭載されたTRIM機能や、 Indilinx(firmware 1819、ver1.4以降)用の TRIM tool などで手動で TRIM command を出すことにより、この速度低下も回復できるようになってきました。
X25-M G1(firmware 045C8820)や Indilinx(firmware 1819、ver1.41以降)の様によく効く速度自動回復機能(garbage collection)があれば速度低下は少ない。また、最新の東芝SSDではOSからのTRIM処理は不要で、どんなOSでもCPU(Southbridge)でも速度低下しないか一旦低下しても大きなファイルを書き込んで消したりした後には速度は自動回復している。(手をかけなくて済むのでノートパソコンに最適)
これに対して、小データを圧縮処理するSandForceのSSDでは、OSからTRIMが発行されても、AHCI driver の内、現時点ではIntelのIRTしかTRIM command を正確に処理できず、MicrosoftのWin7標準driver やAMDのchipset driverでは速度回復せず、高速な公称スペックは新品購入時のみと考えられるので注意が必要である。


HSilicon Power SP032GBSSD650S25 を boot drive として用いた私の実験環境でのベンチ結果です。

以下の実験で使用したパソコンのスペックです。
 CPU: Core 2 Duo E8600 @3.33GHz, 1333MHz FSB, 6MB L2 cache
 RAM: Samsung M378T5663RZ3-CF7 DDR2 PC6400 2GB × 2枚
 Northbridge: Intel P45
 Southbridge: Intel ICH10R
 Motherboard: GIGABYTE EP45-DS3R
 GFX: GIGABYTE GeForce 7300GS (nVIDIA 7300GS)
 Powered by: GOURIKI-P-550A
 OS: WinXP SP1

下の左から、FlashPointなし、FlashPointβ3 patch 1 (2009年4月11日公開)、FlashPointβ4 patch 1 (2009年5月1日公開) の CrystalDiskMarkの100MBテストの結果です。自分の実験環境では上記の報告よりもっと良いデータになってしまいました。
(プチフリ回避が目的なので1000MBテストは不要 ∵4KBのデータを1GBも書込むことがないから)

Ha SSD Hb FPβ3 Hc FPβ4

HSP032GBSSD650S25 を用いたCrystalDiskMarkベンチ計測結果では、Random Write 4KB が FlashPointなしで 1.975MB/sだったものが、FlashPointβ3で 22.06MB/s、FlashPointβ4で 19.64MB/sと、FlashPoint導入前の約10倍になり、同じ実験システムで計測した OCZ Vertex の私の測定値の10.82MB/sと比べても約2倍の転送速度となり、Random Write 4KB が劇的に改善しました。使用している方はプチフリが消えて大変喜んでいます。1 2 3 4 5 6 7 cache
FlashPointβ4 patch 1 のバージョンでは、β3 patch 1 のバージョンではできない場合があったデフラグとchkdskが正常にできるように改善してあるそうですが、β3の方が安定していて高速なのでデフラグとchkdskを行わない方はこちらの方が良いそうです。
私も、ドスパラで6,700円で購入したSP032GBSSD650S25を、あまりお金をかけたくない Pentium 4 の古いパソコンに FlashPoint β3 patch 1 をインストールして使っていますが、YouTube閲覧中にひらがな漢字変換を行ってもSSD特有の引っかかり感などは全くなく、バックアップも完全にとれるし、USBを使ってブルーバック・スクリーン・エラーが出たりすることもなく、ANS-9010並に体感速度も向上しました。Non-RAIDで使っても、とてもJMicronのSSDとは思えないほど快適になりました。

IJMicron の SSD を 2個 RAID にした場合に、FlashPoint が正常に機能するかどうかをテストしてみました。
Ia SSD RAID 0 Ib FlashPoint β3 patch 1

IFlashPoint が JMicron の SSD を RAID にした場合にもちゃんと機能して、Random Write 4KB はなんと38.19MB/s(Ib)と、左上のIaのRAIDで FlashPoint をインストールしていない場合の2.441MB/sの15倍以上とすばらしい向上が認められます。実用的にも、すばらしいキビキビ感で、私のシステムではRAIDの場合でも FlashPointβ3 patch 1 をインストールしてOSのデフラグも可能でした。バックアップをとったり復元したりも FlashPointβ3 patch 1 をインストールしたままで全く問題がなく、2ポートのANS-9010に目が慣れている私でも「これは速い!」と思いました。

Ic FlashPoint β4 patch 1 Id FlashPoint β4 patch 2

IFlashPointβ4 では patch 1 でも patch 2 でもベンチ結果はほぼ同様でした。システムによっては不安定になるらしいので、相性のいいバージョンを用いればいいと思いますが、私のシステムではしばらく使ってみた限りでは β3 の場合と同様 β4 でも全く問題はありませんでした。


J念のために、FlashPointがHDDでも効果があるのか、HDS721616PLAT80 (Hitachi 7200rpm 160GB UltraATA133) を用いてテストしてみました。
下の左から、FlashPointなし、FlashPointβ3 patch 1 (2009年4月11日公開)、FlashPointβ4 patch 1 (2009年5月1日公開) の CrystalDiskMarkの100MBテストの結果です。

Ja HDD Jb FPβ3 Jc FPβ4

JHDDでも CrystalDiskMarkの Random Write 4KB が FlashPointなしで 1.518MB/sだったものが、FlashPointβ3で 7.041MB/s、FlashPointβ4で 8.139MB/sと5倍程度に向上しましたが、同時に、Random Write 512KB が FlashPointなしで 39.33MB/sだったものが、FlashPointβ3で 20.76MB/s、FlashPointβ4で 20.31MB/sと低下してしまいました。FlashPointは、今回のUltraATA133の単体のHDDでは CrystalDiskMarkの Random Write 4KB の改善にはちゃんと効果はありましたが、やはり、JMicron 製「JMF602」搭載のSSDに最適化されているようです。

K最新のSATAUに対応したHDDはSSDと同じくらいの性能がありますが、これをRAIDにしてどうなるか実験してみました。
HDDは「RAID」のページで使ったものと同じHDDでST3640323AS(Seagate 640GB 7200rpm SATAU) を2台使用し、SATAU3Gbps(300MB/sec) にてICH10Rの chipset RAID で128KBのストライプ・サイズで 「RAID 0」を構築しベンチ測定を行いました。
下の左から、FlashPointなし、FlashPointβ3 patch 1 (2009年4月11日公開)、FlashPointβ4 patch 2 (2009年5月3日公開) の CrystalDiskMarkの100MBテストの結果です。

Ka HDD RAID 0 Kb FPβ3 Kc FPβ4

K最新のSATAUに対応したHDDをRAIDにした場合には、FlashPointβ3 patch 1 をインストールした場合に、Sequential Write と Random Write 512KB が FlashPoint をインストールする前より悪化し、FlashPointβ4 patch 2 をインストールした場合には FlashPointβ3 patch 1 をインストールした場合よりさらに悪化して、両者とも悪影響しかないことがわかりました。

この結果から、SSDとHDDの比較としては、FlashPointをSSDと共に利用する場合は、SSDをOSのシステムドライブに使用し、HDDをデータドライブに利用すればよいという、当然の結論に至りました。今後、この流れでSSDとHDDが共存するものと私は考えます。

FlashPoint実験の最終結論としては、FlashPointが安定動作を得られるように開発が進めば、JMicronの安いSSD2個さえあれば、これをFlashPointと共にRAIDで利用すると、ベンチ的にやや劣るものの実用的にはOSがANS-9010の2ポート使用時並にプチフリのないキビキビした高速な作動をすることがわかりました。(実験Ib) (FlashPointの実験はすべて2009年5月3日とβ4 patch 2が出たあとの2009年5月5日に行いました。)

Intelの高額SLCのSSDなら大丈夫なのかもしれないが、現在MLCで起こっている問題は10倍の寿命のSLCの将来をタイムマシンで見ているような気もする。今後 SunDisk の開発した「ExtremeFFS」が実用化されれば、このタイプのプチフリ問題も解決方向に向くことも考えられる。
(2009年1月24日に見つけましたが、Intel X25-M で2〜3日に一度プチフリがあるため、Mtronに変えて消失したという人もいました。2009年1月3日のjlingoという人の書き込みです。ただし、Mtronで何度もすぐに壊れたという人もいます。

将来のSSDパソコンはこんな姿かな?すでにドスパラで発売中です。 スペック
(2008年12月3日時点で価格は949,800円。買えない私は当分2万円台で買ったEeePCが唯一のSSD実働マシンでしたが、上記のFlashPointが出てからは、FlashPointを併用することによって安いSSDで高価なIntel SSD並の体感速度を得られるので、OS用に7,000円ほどの32GB JMicron SSDとFlashPointβ3 patch 1 を使用中のパソコンに順次組み入れ始めています。高価な買い物をして楽しいという考え方もありますが、私は安くて癖のある部品でも細かい設定をして高性能を引き出せるところが、PC自作の楽しみの一つと考えています。今、多少JMicron SSDにお金がかかったとしても、HDDをOS用途から解放することによってHDD自体も長持ち安心です。)

2008年第4四半期は、後から思えばリーマン・ショックでSSDが安かったのだとわかりましたが、この頃、6台程、数年前から使っていたパソコンのOS用のHDDを JMicron や s592(現在firmware 1848) などの安いSSDに換装し今でも毎日使用していますが、約1年半経過後の2010年6月現在まだ1台もSSD・HDD共に故障なく稼働中です。OSにSSD、データドライブにHDDを使用することによって、磁気ヘッドを搭載したアクセスアームがネオジム磁石によってシークを行う物理的動作が減るためHDD自体までもが長持ちしているようです。

SSDの話はここまでです。

(別のページに最新のSATAU3Gbps接続7200rpmのHDD2台とSATAT1.5Gbps接続i-RAM2台を用いた「RAID 0」構成での比較ベンチマークテスト結果を載せます。)