辻整形外科クリニック

人工股関節手術 THA



人工股関節手術↑


変形性股関節症のX線写真
急速破壊型股関節症のX線写真
動く人工股関節の写真

変形性股関節症という病気の末期の方は、人工股関節手術(人工股関節形成術、THA)といって、股関節に人工関節を入れる手術を行うことより長年の痛みから解放されます。人工股関節手術とは、カップ・ライナー・ステム・ヘッドという4つのコンポーネント(=部品)を入れて股関節の痛みを取り、股関節可動域(=股関節の動き)を良くする手術です。手術の際、脚長差(=足の長さの差)も補正し、術後約1年のこの写真では、細かった大腿骨も太くなって左右差があまりなくなり、弱かった大腿四頭筋の筋力も著明に改善し、大腿部(=ふともも)の筋肉が細かったのも著明に改善しました。人工股関節形成術の適応疾患として多いものは臼蓋形成不全に引き続いて発症する二次性の変形性股関節症と一時性の変形性股関節症ですが、関節リウマチや大腿骨頭壊死もよい手術適応です。今お見せした症例は変形性股関節症の症例です。

◆変形性股関節症の臨床症状◆
変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減ってきて足の付け根にある股関節に痛みをきたす病気です。変形性股関節症には以下のような臨床症状があります。
 @疼痛
 A可動域制限・関節拘縮
 B筋力低下・筋萎縮
 C患側下肢の短縮
 D跛行
 E他の関節・脊椎疾患の合併
@の疼痛(とうつう、=痛み)は罹患(りかん、=病気にかかること)した股関節部から大腿部にかけての痛みが主で、膝にまで痛みが放散(痛みがひびき伝わってくること)してくる方もいます。初期の頃は、いすから立ち上がったりするときなど体の動かしはじめに痛みを感じ、症状が進むと持続性となり、重症になると夜間や安静時にも痛みを認めるようになります。また、痛みのため次第に遠くへ外出しないようになります。Aの股関節可動域制限は股関節の動きが悪くなってくることで、屈曲制限(曲げにくい、爪切りの姿勢が困難)・外転制限(股が開かなくなってくる)が主で、進行すると関節拘縮といって股関節が本当に動かなくなり、自分で爪が切れなくなって人に爪を切ってもらわなければならなくなったり、靴下が自分で履けなくなったりします。B筋力低下は大腿四頭筋(ふとももの前面の筋肉)や中殿筋(骨盤の外側にある筋肉)などに起こります。筋力低下が続くと本当に筋萎縮(きんいしゅく、=筋肉がやせ細ること)が起こり、膝上10cmぐらいの大腿部(=ふともも)を両手で触って比べてみると、細くなってくるのが自分でもわかるようになります。C変形性股関節症に罹患した股関節の関節破壊が進行してくると、患側下肢が短くなり脚長差(きゃくちょうさ)が出現してきます。脚長差は通常は1〜2cmですが、脱臼位にある場合は4〜5cmも短いことがあります。D跛行(はこう)は足を引きずること(いわゆる「びっこ」)ですが、上記の@ABCがあいまって発生します。変形性股関節症や臼蓋形成不全などの股関節疾患での特徴的な跛行は、トレンデレンブルグ歩行(Trendelenburg's gait, waddling gait)といって、患側の足に体重がかかったときに反対側の骨盤が下がり、上体は同時に患側に傾く特徴的な跛行で、専門の医師が診ればすぐにわかります。筋力低下が進行すると上体の傾きがひどくなり、ひょろひょろ歩くようになってきます。E「放置した場合の経過」のところで理由を述べますが、変形性股関節症が進行すると、腰痛を発症し、さらには反体側の膝の痛みも出現するようになります。

◆人工股関節手術の目的(長所)◆
人工股関節手術の目的は、股関節の痛みを完全に取り除くことと、股関節可動域を改善するすることです。それに、脚長差があれば、これを補正して足の長さをできるだけ同じように治します。人工関節手術によって痛みから完全に解放され、以前より可動域のよい股関節となり、ショッピングをしていても疲れない、より遠くへ歩けるようになる、より遠くへ自転車で行けるようになるなどのように、今までより日常生活動作での実用レベルが向上します。「足って、こんなに便利なものだったの?」と自分で感心する患者さんもいらっしゃいます。それは、今まで、足の痛みが出るのが恐くて、自分で活動レベルを下げていたからです。やせてきた膝より少し上の大腿部(=ふともも)の筋萎縮(=足の筋肉がそげ落ちて細くなること)の進行が止まり、次第に元の筋肉を回復してきて、大腿四頭筋や中殿筋の筋力も回復し、だんだんと進行してきた跛行(はこう=足を引きずって歩くこと)も手術後は次第に改善していき、今までより日常生活活動レベルが向上し、歩行容姿も格段に改善します。普通の人と同じように歩けるようになる人も多くいらっしゃいます。当院で行っている、手術の傷の6〜9cmと小さいMIS最小侵襲人工股関節手術(極小侵襲人工股関節手術)で手術を行った患者さんの多くは、人工関節手術後、知人に「あなた、どこ手術したの?」と聞かれるくらいに改善します。自転車や水中運動はもちろんのこと、手術後ジムを引き続き楽しんでいる方も多く、中にはゴルフやテニスをされている方もいます。(もちろん人工関節は大切に使うことが重要です!)人工関節手術前は股関節痛があって脚力もなく海外旅行をあきらめていた方も、希望していた方の多くが痛みなしに海外旅行に行かれています。

◆人工股関節手術の問題点(短所)◆
人工関節手術後には、@血栓、A脱臼、B感染、C骨折、D神経麻痺、E金属アレルギー、F転子部滑液包炎、G弛緩・摩耗などの合併症を認めることがあります。@血栓は主に深部静脈に発生しますが、これが発生した場合や発生の予防のために、弾性包帯や下肢の挙上を行います。人工関節手術後、早期にリハビリを行うことも深部静脈血栓の予防に大いに役立ちます。飛行機の中のエコノミー・クラス症候群のようにならないようにするため、手術を受けた患側の足の筋肉を早めに動かして、筋ポンプ(=筋肉を収縮させることにより、静脈血を中枢に押し上げ、下肢の血管内に血液が停滞しないようにする筋肉のポンプ作用)を効かせ、血栓の発生を防止します。A脱臼は手術直後に起こるものと何週間もしてから起こるものがありますが、手術直後のものは局所の安静にて対処します。手術後何週間もしてから脱臼させてしまった場合は、脱臼しやすい肢位をよく覚えていただいて、この肢位をとらないように気を付けていただきます。脱臼した場合、普通は再手術しなくても整復することができますが、整復しにくい場合は再手術を要することもありますので、手術後、転倒して脱臼させたりしないように充分に気を付けてください。 平成14年にほとんどの人工関節手術をMIS手術で行うようになってからは脱臼もほとんど発生しなくなってきました。B感染は人工関節手術後、以前クリーンルームのなかった時代は3〜5%発生していましたが、最近では、0.5〜1%程度です。当院では感染防止のためもちろんバイオクリーンルームで手術を行い、手術中に手術創は専用器械を用いて抗生物質入りの大量の生理的食塩水で充分に洗浄し、手術の前後に抗生物質も投与します。クリーンルームを作っても大病院で手術場が2階・3階にある場合は、人の出入りが多く患者の移送搬入も頻繁なのでクリーンレベルの実測値が落ちます。また、手術室と前室のみクリーンルームになっていて、手術室のドアの開閉の度にクリーン度が落ちることもることもしばしばです。当院での対応は、手術室内の空気の出入りを考えて、一般の方の出入りを制限した5階に手術室を設け、そこを手術室と器材滅菌室の専用フロアとし、全室(手術室2室・滅菌洗浄室・手術室の廊下・手術患者搬入用の廊下)すべてをクリーンルームとし、どこの病院よりもクリーンレベルが上がるように工夫して設計しました。この結果、人工股関節手術での感染は、当院開院以来、1例もありません。感染防止のため、退院後も、歯槽膿漏になった歯の治療や、カゼなどをこじらせて気管支炎を合併してきた場合や膀胱炎など感染症を併発した場合は、早めに治療してください。C手術中に大腿骨にステムを挿入したり、その準備操作の段階で大腿骨が骨折することがあります。大腿骨内に挿入するステムのサイズが小さいと手術後大腿部に痛みを感ずることがあるので、これを防止するためには大腿骨に挿入するステムのサイズはできるだけ大きい方が望ましいのですが、1段階大きなサイズのステムに進もうとする時に大腿骨に骨折を生ずることがあります。近位部の小さな亀裂骨折の場合はそこに骨移植をすればそれですむ場合もありますが、骨折が大きい場合は大腿骨周囲にワイヤやケーブルを巻いて固定します。D短縮した下肢を2cm以上手術で伸展させようとした場合や、伸展が1cm程度でも以前に股関節の手術を受けていて坐骨神経が周囲の組織と癒着している場合は、術後坐骨神経が過伸展されて神経麻痺を起こす場合があります。一過性に回復することが多いのですが、手術時に神経麻痺のおそれがある場合はあまり無理に下肢を伸展させないようにして対処します。E金属アレルギーは人工関節のように生体内にある場合は、皮膚などと違って、アレルギー反応の発生頻度はごく低頻度です。コバルト・クロム合金や、今ではほとんど使われないステンレス鋼(ニッケル含有)のステムでは、大変まれに体に合わないために挿入した人工関節に対して金属アレルギーを起こして人工関節周囲に骨融解を起こすことがあります。この場合、抜去してセメント固定にする必要がある場合もあります。チタン合金はコバルト・クロム合金やニッケル含有ステンレス鋼に比べて、人体での金属アレルギー反応は少なくてより安全であると考えられています。F金属アレルギーとは別に単に転子部滑液包炎で手術創近辺に水がたまる事があります。その場合は一般的には手術ではなくて保存的な消炎処置で対処します。G弛緩・摩耗については長期的問題ですが、人工関節を早くすり減らさないように大切に使うように心がけてください。時々ゴルフをしたり、ダブルスでテニスをする程度なら許容範囲内ですが、ジャンプや登山などは控えていただきたいと思います。人工股関節のライナーにクロスリンク超高分子ポリエチレンを用いるようになってからは、以前よりは、自由に活動していただいても問題がなくなってきているように思いますが、やはり人工関節は大切に使っていただくことが何よりです。人工関節の材質・デザインを正しく選択し、初回の手術がよい場合は、人工関節の弛緩・摩耗の発生率を大いに下げることができます。

◆人工股関節手術を行わずに放置した場合の経過◆
変形性股関節症で人工股関節手術を行わずにいた場合は、次の3通りの経過があります。@10年程、経過観察していても悪化しない方。A数年の単位で次第に進行していく方。このグループに入る変形性股関節症の方が最も多数です。B3〜6ヶ月程で急速に悪化する方。急速破壊型股関節症の方です。このグループに入る方の数は多くはありませんが、骨粗鬆症のある方に発生しやすくなります。
@のような方で、外来でX線検診を続け悪化せずに問題のない方もいらっしゃいます。Bのように急速に大腿骨頭の破壊が進行して激痛を覚え、至急、人工股関節手術を要する方もいらっしゃいます。Aの方は注意が必要です。
臼蓋形成不全に引き続いて発症した二次性変形性股関節症の患者さんが多いのですが、この場合には、生まれてからその股関節しか知らないので、痛みがないと言う患者さんもいらっしゃいます。よく話を聞くと、あれ程度以上使うと痛くなるのがわかっているので、それ以上使わないようにしているから痛みが出ないと言う場合もよくあります。実際には、大腿四頭筋が細くなっていたり、骨萎縮といって、前ページの写真のように、骨が細くなっていたり、カルシウムが抜けてきてX線で骨が黒く見えたりしていることもあり、下肢の骨や筋肉が萎縮していること自体が、体の健康な運動能力に影響を及ぼしています。可動域の悪くなった股関節疾患の方では、歩行時などに股関節が充分に可動域がない時に、その不足する動きを脊椎の動きで補うため、腰椎に過度の負担がかかり、腰椎疾患を併発するようになります。また、変形性股関節症が進行して、骨頭が扁平化して患肢の下肢が短縮してくると、健側肢が相対的に長くなるため、膝を曲げて歩くようになり、屈曲時に荷重のかかる膝関節の軟骨に負担がかかり、股関節の悪い方と反対側の膝が痛くなるようになることもよくあります。股関節は体重を受けるとき中心になって体を支える場所ですから、ここの病気を治さないと、前述の通り、周辺の骨格に負担を与えてくることになります。股関節が悪くなってきたら、早めに治療しておく方が、これらの問題の併発を防ぎ、健康な寿命を長くするために有益と考えられます。
どのタイプであるかは病院でX線経過観察を受けてわかります。

◆人工股関節手術で用いる器財の材質について◆
人工股関節手術で現在主流の方法では、カップ(アセタビュラー・コンポーネント、ソケット)・ライナー(インサート)・ステム・ヘッドという4つの部品を用います。

臼蓋側の寛骨臼にはカップという部品を設置します。骨親和性のよいチタン合金でできたものがほとんどです。その中にライナー(インサート)といって、人間の軟骨の代わりをする部品を挿入します。材質は超高分子ポリエチレンというプラスチックの仲間のものでできています。クロスリンクといって放射線を当てて超高分子ポリエチレンの長い分子の側面をさらに結合させて強度を上げた材質のものが日本で開発され、アメリカの一流メーカーの人工関節の会社(複数)に採用されています。今までの超高分子ポリエチレンは実験室内での摩耗テストで100万回こすりあわせて超高分子ポリエチレンが減り始めてきましたが、新しいクロスリンク超高分子ポリエチレンは500万回こすりあわせても、まだ、摩耗し始めないというデータが出ています。体内では、実験室内ほどの耐久性は無理としても、少なくとも2倍程度の耐摩耗性があると推測されるので、今まで、10年の耐久性があった人工関節なら20年の寿命も予測されるし、15年の耐久性であったのならその2倍の30年も不可能ではないと考えられ始めています。昔のカップはライナーと一体化していて、まとめてソケットといわれていましたが、壊れたときの入れ替え手術を要する場合に、受け皿である臼蓋側の骨を壊す必要がありましたが、新しい製品では、摩耗しやすいライナーだけ交換できるようになっており、人工関節が摩耗して再手術を要するようになっても、2度目の手術では自分の骨を壊さなくてもよいようにできています。車にたとえていえば、摩耗しやすいタイヤだけ簡単に交換できるようになっているようなものです。

大腿骨側にはステムという部品を挿入します。ステムは強度の強いコバルト・クロム合金のものと骨親和性のよいチタン合金でできたものがあります。チタン合金は強度的に心配されましたが、正確なコンピューターによる強度計算と実際の臨床成績から、次第に、信頼性の高いものができるようになり、最近はチタン合金のものが増える傾向にあります。ハイドロオキシ・アパタイト(水酸化アパタイト)という素材をコーティングして骨親和性をさらに高めてあるものもあります。ハイドロオキシ・アパタイトをコーティングしたマイクロストラクチャード・セメントレスの人工関節は、20年前よりアメリカで発売されておりましたが、ハイドロオキシ・アパタイトをコーティングした部位より遠位部に骨硬化がおこり、意図した部位でのボーン・イングロウス(骨が人工関節の中に入り込むこと)が不十分で、近位部での骨が弱くなるストレス・シールディングという問題がありました。しかし、最近、ハイドロオキシ・アパタイト・コーティング部位より遠位部を鏡面仕上げとし、ここでの骨硬化を抑制し、ハイドロオキシ・アパタイト・コーティング部位にボーン・イングロウスがしっかりと起こることを目的とした商品が開発され、私も使ってみましたが、目的通りにボーン・イングロウスがしっかりとステムの近位部で起こりストレス・シールディングも発生しないので、最近多く愛用しています。 (もちろん、人によってかなり違う股関節の形状と人工関節の形状がぴったり合致することを重視し、常に進化・開発される素材の中で効果が実証された各社の最新機種の中から、その患者さんにとって最もよい使用機種を手術ごとに決定します。)
ステムのうえにヘッドをかぶせます。ヘッドは強度と耐摩耗性を重視してコバルト・クロム合金のものが主体ですが、セラミックのものもあります。セラミックは丈夫な素材として日本では認識されていますが、第1世代のアルミナ・セラミックは、回収標本でもヒビが入っていたり、実際に破損したりするものもありました。(コバルト・クロム合金のもので破損したものはない。)第2世代のジルコニア・セラミックでは耐久性が向上し、過去10年で破損したものはありません。ジルコニアの方がコバルト・クロム合金よりも表面をなめらかに加工できるので、ジルコニア・ヘッドの人工関節の方が寿命が長いと考えられています。摩耗と破損の比較ですから、どちらがよいかは、20年以上経過してみないとわからないので、今のところ、どちらがよいとは言えませんが、体重の軽い方ではジルコニアの方が良さそうに思います。

◆自己血輸血について◆
当院では、人工股関節手術前に貯血する自己血は400mlで1回の採血のみです。私は自己血を回収するCBCコンスタバック・ドレーンという器具を1988年に最初にメーカーに輸入依頼し、薬事承認された3年後の1991年から今では常識になった術後自己血回収術を日本で最初に開始しました。それ以降は他家血輸血は原則的に行っておりませんので、術後、肝炎やエイズに感染する心配はありません。エホバの証人などの無輸血手術にも対応しております。

<MIS極小襲人工股関節手術>
MIS極小侵襲人工股関節手術(最小侵襲人工股関節手術)は、今から10年以上前の1990年代前半からアメリカで次第に行われるようになってきておりました。当院でもアメリカ人の知人の先生のアドバイスにより1993年より試験的に一部の患者さんに導入しており、日本のどこの大学病院整形外科よりも早くMIS最小侵襲人工股関節手術への取り組みと手術の施行を開始いたしました。当院ではMIS用の手術機械がメーカーから支給される前の、平成14年(2002年)より、新手術アプローチの考案により極小切開のMIS最小侵襲人工股関節手術(極小侵襲人工股関節手術)をほぼ全例の人工股関節手術に際して行うようになりました。 6〜9cmの小皮切(=小さな皮膚の切開)で人工股関節手術を行って、皮膚の切開が小さいばかりでなく、股関節周囲の筋肉や組織も、一般手術に比べて保護されますから、手術後麻酔から回復したらすぐに車イスに乗ったり、全荷重歩行訓練を開始することができ、2週間ほどでの早い退院も可能です。

特殊機械不要な新手術アプローチにより、人工関節設置部を完全に直視下にすべて見ることができるようにして手術しています。(パソコンのサイト(www.tsujihosp.com/mistha.htm)にはMIS極小侵襲人工股関節手術の写真を供覧してあります。(手術写真が大丈夫な方のみご覧下さい。))これによって不要な操作なしに、正確に正しい位置に人工関節を設置できます。無理に傷を小さくすることなく、MIS極小侵襲人工股関節手術の手術創で必要十分な視野が得られて安全確実正確な手術を行えます。この手術方法では、MIS手術ができないからいきなり大皮切手術に転換して、麻酔から覚めたら大きく切られていたということはありません。最低限必要なだけ2〜3cm皮切を延ばす程度で対応できます。THAのナビゲーションシステムに関しては、通いなれた通勤路にカーナビが不要なのと同様に、熟練した術者にはナビゲーションはほとんど不要ですが、必要な場合は、イメージ・インテンシファイアー(透視装置)を用いて100%正確な実像による確認を行います。マスコミはほとんど報道していませんが、実際は、コンピューターで作られたバーチャル・イメージ(仮想イメージ)であるナビシステムではカーナビ同様の狂いが生じることが学会でもよく報告されており、実際に直視下や透視下に行う手術より精度が落ちます。また、ロボット手術については、小皮切のMIS手術は不可能で、手術が簡単なステム側だけにロボットを使えますが、骨移植などを伴って難しい方の臼蓋側は外科医が手術を行います。
人工股関節手術は一番最初に受ける手術であなたの残りの一生の善し悪しが決まります。全国の各社会保険事務所から2004年に読売新聞社に情報開示公開された2003年度の人工関節手術件数では、当院は1人の専門医師が手術を行う法人立の医療機関として最多の手術件数があります。 当院での手術は人工関節手術専門の整形外科医としての経験年数25年の院長辻 俊一がすべて執刀し主治医となりますのでご安心下さい。

変形性股関節症のX線写真
急速破壊型股関節症のX線写真
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