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ANS-9010とSiI3124チップを用いたCrystalDiskMark(2.2 & 3.0)ベンチ結果  



2009年5月のゴールデン・ウィークと5月最後の週の週末にACARD製の「ANS-9010」は3万円以下のセールがあったが、その後セールもなく、海外でのANS-9010の販売価格も$549.00と値上げされていた。

2009年9月のシルバーウィーク頃からまた突然3万円以下のセールが出てセール中に売り切れになったので、この夏熱暴走の報告も少なく性能の安定したANS-9010を追加購入した方も多いのであろう。ANS-9010の手持ち台数が増えてくるとどうしても複数でストライピングをしてみたくなる。私も1台を2ポートとしてICH10RオンボードRAIDで常用していたが、4ポートで高速感を実感できるのかは使い慣れてみないとわからないと思い、ANS-9010 2台4ポートでRAID 0を構築してみることにした。

今まで、6ポートまで使える Intel ICH10R や、8ポートまで使える HighPoint RocketRAID 3520 や、Adaptec Adaptec RAID 5805、12ポートまで使える Areca Areca ARC-1231ML では、連続読書転送速度は大きく向上するが書込みキャッシュの効かない状態ではランダム4KBの転送速度は低下する物ばかりであった。体感速度が向上するのでなければ意味がないと考えて、ずっとオンボードRAID 2ポートで使用してきた。

今回、ANS-9010 を2台4ポートで使ってみるに当たり、ランダム4KBの転送速度が良いことで i-RAM 時代から定評のある SiI3124 コントローラーチップ搭載のカードを使用してみることにした。LaCie や玄人志向にも SiI3124 コントローラーチップ搭載の製品があるがPCIスロット接続なので、PCIex8で接続できるLycom 社の PE124R5 を使用して、まずいつもの実験用パソコンでベンチマーク測定をしてみることにした。

@〜Dの計測は2009年9月18日に CrystalDiskMark 2.2 で行ったが、その後2009年9月28日に入手できた CrystalDiskMark 3.0 が「開発ちう」で完成ソフトではないがとても興味深かったので、EFの計測を2009年10月1日に開発中の「Technical Preview #3」で行ってみました。(開発者は開発段階で即海外のサイトに転載されたくないようなので、うまくできあがるまで、まだそっとしてあげておいてくださいね。)


使用した実験計測用パソコンのスペックは次の通りです。
 CPU: Core 2 Duo E8600 3.33GHz, 1333MHz FSB, 6MB L2 cache
 RAM: Samsung M378T5663RZ3-CF7 DDR2 PC6400 2GB × 2枚
 Northbridge: Intel P45
 Southbridge: Intel ICH10R
 Motherboard: GIGABYTE EP45-DS3R
 Boot HDD: HDS721616PLAT80 (Hitachi 7200rpm 160GB UltraATA133)
 GFX: GIGABYTE GeForce 7300GS (nVIDIA 7300GS)
 Powered by: GOURIKI-P-550A
 OS: WinXP SP1


@RAID 0のarrayを構築する際に、ストライピング・サイズ(ss)は 8KB・16KB・32KB・64KB・128KB を選択することができました。一般に、選択したサイズ以下のデータの転送速度は向上しないので4KBを選択するのがよいと言われているが、過去の実験では連続読書速度はストライピング・サイズが大きい方がより高速なので、すべての条件で実験計測してみることにしました。
@8KB・A16KB・B32KB・C64KB・D128KB の順で計測してみました。CrystalDiskMark 2.2 の計測サイズを100MBとし、フォーマットするファイルシステムを FAT32 と NTFS の2種類でベンチマーク測定を行ってみました。

結果は次の通りでした。

@a 100MB FAT32 @b 100MB NTFS

Aa 100MB FAT32 Ab 100MB NTFS

Ba 100MB FAT32 Bb 100MB NTFS

Ca 100MB FAT32 Cb 100MB NTFS

Da 100MB FAT32 Db 100MB NTFS

ストライピング・サイズ が 128KB の時に、Sequential Read が 719MB/s となって最高転送速度を得ることができましたが、それ以外の速度はほとんど差がありませんでした。

Random Read 4KB の最速値は 87.93MB/s、Random Write 4KB の最速値は 76.75MB/s となり、どんな条件の計測時でも単体時の速度(Random Read 4KB 74.38MB/s、Random Write 4KB 67.23MB/s)より速くなり十分満足できる結果でした。


E2009年10月1日に、ファイルシステムをすべて NTFS として、Eストライピング・サイズ が 8KB の時と、Fストライピング・サイズ が 128KB の時に、CrystalDiskMark 3.0 (Technical Preview #3)の計測サイズを100MB・1000MB・2000MBとして転送速度を計測してみました。

Ea 100MB Eb 1000MB Ec 2000MB

Fa 100MB Fb 1000MB Fc 2000MB

CrystalDiskMark 2.2 で Random Read 4KB 86MB/s、Random Write 4KB 76MB/s であった転送速度は、CrystalDiskMark 3.0 でもほぼ同じ値が得られました。

ランダム 4KB の NCQ を意識した「Queue Depth : 32」のテスト結果では、8KBのサイズでストライピングをした時に、Random Read 442.2MB/s、Random Write 418.7MB/s と、ランダム 4KB のテストでは今まで見たことのない信じられないような高速値が得られました。