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ANS-9010 の ICH10R を用いた RAID 実験 



ACARD製の「ANS-9010」は、内部で2組の DDR2 SDRAM が利用可能で、1台で2ポートを用いてRAID0環境で使用することができ、3GbpsのSATAUの接続インターフェイスを持ち、店頭公表されたスペックは読出338MB/s・書込280MB/s とすばらしい性能である。前ページではその基礎的性質について調べた。このページでは、上の写真のANS-9010 4台の内 3台を使用し、6ポートまでのICH10Rを用いたRAID実験を行って、その実験結果をまとめた。(結果一覧リンク)

使用した実験用パソコンのスペックは次の通りです。
 CPU: Core 2 Duo E8600 3.33GHz, 1333MHz FSB, 6MB L2 cache
 RAM: Samsung M378T5663RZ3-CF7 DDR2 PC6400 2GB × 2枚
 Northbridge: Intel P45
 Southbridge: Intel ICH10R
 Motherboard: GIGABYTE EP45-DS3R
 Boot HDD: HDS721616PLAT80 (Hitachi 7200rpm 160GB UltraATA133)
 ANS-9010 Format: FAT 32 (DIMMは Samsung 2GB α\1,980 @ドスパラ を ANS-9010 1台に付き2枚ずつ)
 Graphics: GIGABYTE GeForce 7300GS (nVIDIA 7300GS)
 Power supply for M/B & HDD: 潟Tイズ GOURIKI-P-550A
 Power switch for M/B: AINEX KM-01
 Power supply for ANS-9010: DIATEC FILCO PLS360
 Power switch for PLS360: AINEX KM-02A
 OS: WinXP SP1


@はANS-9010の1ポート単体での測定、A〜Eはそれぞれの番号に対応したポート数でのRAID0での測定である。RAID0でのストライブサイズはすべて128KBである。RAID機能はすべてICH10RのオンボードRAID機能を用いた。ANS-9010 1台あたり2ポートあるので、@Aの実験ではANS-9010 1台使用、BCの実験ではANS-9010 2台使用、DEの実験ではANS-9010 3台使用した。
CrystalDiskMark(左) と HDTunePro 64MB file(右) の結果を並べて見てみましょう。

 @ 1port
@ CrystalDiskMark で Read 186MB/s Write 152MB/s、HDTunePro のグラフの読み取り値で Read 176MB/s Write 145MB/s であった。


 A 2ports
A CrystalDiskMark で Read 344MB/s Write 287MB/s、HDTunePro のグラフの読み取り値で Read 360MB/s Write 275MB/s であった。


 B 3ports
B CrystalDiskMark で Read 455MB/s Write 380MB/s、HDTunePro のグラフの読み取り値で Read 478MB/s Write 400MB/s であった。

 C 4ports
C CrystalDiskMark で Read 656MB/s Write 495MB/s、HDTunePro のグラフの読み取り値で Read 638MB/s Write 477MB/s であった。


 D 5ports
D CrystalDiskMark で Read 588MB/s Write 460MB/s、HDTunePro のグラフの読み取り値で Read 630MB/s Write 470MB/s であった。


 E 6ports
E CrystalDiskMark で Read 577MB/s Write 444MB/s、HDTunePro のグラフの読み取り値で Read 592MB/s Write 444MB/s であった。

i-RAM 5個・6個のRAID実験の場合と同じく、ICH10RのこのオンボードRAIDシステムではSSD4個まではRAID0を組むポート数を1個増やすごとにCrystalDiskMarkとHDTuneProのベンチ結果が共に順当に向上したが、5個を越えるとCrystalDiskMarkのベンチ結果もHDTuneProのベンチ結果も共に悪化した。両者共に悪化したことから、オンボードRAIDのコントローラーではANS-9010 3台5ポート以上の転送速度でのデータ処理能力が不足していることが考えられる。

そういえば、2chにはオンボードRAIDのことを「オンボRAID」と書いてあった。私の恩師の教授が教えてくれた和歌山弁では「ど」は「ぞ」のことである。「オンボRAID」は「オンボロいぞ」ということになる。2chのすごい住人たちのスレで学んだ教訓は活用すべし! 「ICH10R」は「オンボRAID」だから、4つまでは計算通りでも5つ以上は計算通りにならないから「オンボロいぞ」ということなのかもしれない。やっぱり昔からの夢の Adaptec の RAID controller を自分で買うしか真相を知る手だてがないのかもしれない。好奇心で、3GbpsのSATAUを8ポートまで使える Adaptec 5805 RAID controller を使ってみなければ、この謎の答えが分からないのではないかと思い始めてきた。2chの記載によれば、HighPoint RocketRAID 3520 はi-RAMで相性が保証された最速の RAID controller である。AdaptecAreca の RAID controller は i-RAM と相性が悪いものが多いことも2chのスレッドに記載されている。ましてや 3GbpsのSATAUの接続の ANS-9010 ではより不安定になりそうなことが当初から予測され、Adaptec RAID 5805ANS-9010 3〜4台をRAIDにしてどれほど高速になったかについては、あまりサイトでの記載は見かけない。(2008年12月27日現在) しかし、T-ZONEのこのサイトでは、「Adaptec RAID 5805」は Intel の SSD 「X25-M Mainstream SATA SSD」ではうまく作動して、1GB/sに迫る結果が出ているので、夢のドスバラの最高峰パソコンにせまる性能を引き出せる可能性がある。(ただし、この写真の中で、ANS-9010BでRAIDを組んでいないのがちょっと気にかかるが。) ANS-9010 4台で1GB/sのヒマラヤ越えチャレンジにはこれしかないのかな? もし相性不良でも、RAID controller のキャッシュが多いということは SSD の のプチフリ対策によい影響があることも十分考えられるので、ANS-9010 で使えなくても JMicron 製「JMF602」搭載SSDのサルベージ・コントロールチップとしての使用用途もあり得ると考え、「Adaptec RAID 5805」購入を決心して、またクレジットカードの最後の発注ボタンを押してしまいました。

Adaptec RAID 5805を利用してACARDANS-9010で3GbpsのSATAU8ポートまでで構築したRAID0でのベンチマークテスト結果に関心のある方は「NEXT」をクリックして、次のページをご覧下さい。(「PREVIOUS」は前ページへのリンクです。)


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