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Silicon Power SSD のベンチマークテスト結果 

 

Silicon Power の MLC の SSD SP032GBSSD650S252008年11月12日に10,000円を切って以来、価格破壊の進行役となり、2008年12月12日の時点で7,948円(登録日:2008/12/12)となった。SATAのSSDで最安値であったことからこれを購入してみて、この基本的な性能のベンチマークテストをしてみた。複数RAIDにすると Intel の高級SSD(X25-M Mainstream SATA SSD)の性能に匹敵するようになるのかどうか知りたかったので、SSDを6個まで用いたRAID実験も行ってみた。 SSDのRAID実験

Silicon Power社の web site によると、製品はSATA I/ IIに適合し、ECC内蔵、使用環境温度が0℃〜70℃で、Shock Resistance が 1500G max、Performanceは Readが最大165MB/sで Writeが最大95MB/s である。製品は2年保証である。
Silicon Powerの本社は台湾の台北市である。


§1. ベンチマークテスト (Benchmarks)

最初に実験用のデスクトップパソコンで、
@Silicon Power SSD (SP032GBSSD650S25)単体の benchmark test と
ASilicon Power SSD (SP032GBSSD650S25)2個を用いた RAID 0 での benchmark test
を行った。

このテストで使用した実験用デスクトップパソコンのスペックは次の通りです。
 CPU: Core 2 Duo E8600 3.33GHz, 1333MHz FSB, 6MB L2 cache
 RAM: Samsung M378T5663RZ3-CF7 DDR2 PC6400 2GB × 2枚
 Chipset: Intel P45/ICH10R
 Mother board: GIGABYTE EP45-DS3R
 Boot HDD (C: drive): HDS721616PLAT80 (Hitachi 7200rpm 160GB UltraATA133)
 SSD Format: FAT 32
 Graphics: GIGABYTE GeForce 7300GS (nVIDIA 7300GS)
 Power supply for M/B & drives: 潟Tイズ GOURIKI-P-550A
 Power switch for M/B: AINEX KM-01
 OS: WinXP SP1


@最初に Silicon Power SP032GBSSD650S25 を単体で SATAU3Gbps(300MB/sec)にてマザーボード GIGABYTE EP45-DS3R に直接接続しました。SP032GBSSD650S25 のメーカーの公称速度は、Readが最大165MB/sで Writeが最大95MB/s である。

@-1 CrystalDiskMark (Silicon Power SP032GBSSD650S25 32GB×1 単体SATAU接続)


@-2 HDBENCH (Silicon Power SP032GBSSD650S25 32GB×1 単体SATAU接続)


@-3 FDBENCH (Silicon Power SP032GBSSD650S25 32GB×1 単体SATAU接続)


@-4 HD Tune Pro 4MB file (Silicon Power SP032GBSSD650S25 32GB×1 単体SATAU接続)


@-5 HD Tune Pro 64MB file (Silicon Power SP032GBSSD650S25 32GB×1 単体SATAU接続)


@-6 HD Tune Pro 256MB file (Silicon Power SP032GBSSD650S25 32GB×1 単体SATAU接続)




A次に Silicon Power SP032GBSSD650S25 を2個用いて、GIGABYTE EP45-DS3R 内蔵の RAID 機能で「RAID 0」を構築し、各SSDはマザーボードに直接 SATAU3Gbps(300MB/sec)で接続しました。

A-1 CrystalDiskMark (Silicon Power SP032GBSSD650S25 32GB×2 RAID 0 構築 SATAUでボードに直接接続)


A-2 HDBENCH (Silicon Power SP032GBSSD650S25 32GB×2 RAID 0 構築 SATAUでボードに直接接続)


A-3 FDBENCH (Silicon Power SP032GBSSD650S25 32GB×2 RAID 0 構築 SATAUでボードに直接接続)


A-4 HD Tune Pro 4MB file (Silicon Power SP032GBSSD650S25 32GB×2 RAID 0 構築 SATAUでボードに直接接続)


A-5 HD Tune Pro 64MB file (Silicon Power SP032GBSSD650S25 32GB×2 RAID 0 構築 SATAUでボードに直接接続)


A-6 HD Tune Pro 256MB file (Silicon Power SP032GBSSD650S25 32GB×2 RAID 0 構築 SATAUでボードに直接接続)


内蔵されるcontroller chip(JMicron 製「JMF602」)と基板の裏表で16個のフラッシュメモリー(Samsung製 MLC「K9GAG08U0M」)は同一なので、Silicon Power SSD (SP032GBSSD650S25)のベンチマークテスト結果は、OCZ OCZSSD2-2C30Gテスト結果とほとんど同じ転送速度であった。この2種類のSSDをRAID0にして使えることも実験的にわかった。OCZSSD2-2C30GSP032GBSSD650S25を同一性能部品とみなして3〜6個でRAID0を組んだ実験結果はSSDのRAID実験にまとめましたので、リンクをクリックしてご覧下さい。



JMicron 製「JMF602」搭載のSSDではOSの設定環境次第でプチフリが多発する。OCZはVertex SeriesのSSDで64MBのDRAM cacheをSSDの基板に搭載してこれを解決した。そしてVertex Seriesは発売後値上げされた。

SSDの基板に DRAM cache を搭載するとコストが余分にかかるので、ソフト上でOS割当て分のRAMの一部(32MB)を書込み cache として利用する方法として FlashPoint というソフトが Hyojun Kim によって2009年3月16日に公開され、4月11日に β3 patch 1 が出て、実際に使った方がプチフリが消えたとコメントしていた。β3ではデフラグとchkdskが正常に作動しないので、4月27日にβ4でこれを解決したが、今度は速度が低下したので、5月1日にβ4 patch 1 でこれを修正した。
β3 patch 1 と β4 patch 1 を CrystalDiskMark でベンチマーク測定してみました。

B-1 FlashPoint β3 patch 1 (2009年4月11日公開)
 CrystalDiskMark (Silicon Power SP032GBSSD650S25 32GB×1 単体SATAU接続)

Random Write 4KB が22.06MB/sとなり、OCZ Vertex の私の計測値の10.82MB/sの約2倍の数値と劇的に改善しました。使用している方はプチフリが消えて大変喜んでいます。1 2 3 4 5 6 7 cache
このベンチ結果は速度の低下したIntelやVertexやSamsungより高速で、すばらしいと思う。
FlashPoint β3をインストールするとデフラグとchkdskが正常に行えなくなる場合があるということですが、それ以外の点ではβ3の方が安定しているので、デフラグとchkdskを行わない方はこちらのバージョンの方が良いそうです。私の場合はデフラグしてみましたが大丈夫でした。
私も、ドスパラで6,700円で購入したSP032GBSSD650S25を、あまりお金をかけたくない Pentium 4 の古いパソコンに FlashPoint β3 patch 1 をインストールして使っていますが、YouTube閲覧中にひらがな漢字変換を行ってもSSD特有の引っかかり感などは全くなく、バックアップも完全にとれるし、USBを使ってブルーバック・スクリーン・エラーが出たりすることもなく、ANS-9010並に体感速度も向上しました。とてもJMicronのSSDとは思えないほど快適になりました。

B-2 FlashPoint β4 patch 1 (2009年5月1日公開)
 CrystalDiskMark (Silicon Power SP032GBSSD650S25 32GB×1 単体SATAU接続)

Random Write 4KB が19.64MB/sと充分な速度です。こちらのバージョンはデフラグとchkdskができない場合がある点を改善しているということです。

B-3 FlashPoint β3 patch 1 (2009年4月11日公開)
 CrystalDiskMark (Silicon Power SP032GBSSD650S25 32GB×2 RAID 0 SATAUでボードに接続)

次は JMicron SSD をRAIDにしても FlashPoint β3 patch 1 が正常に作動するかテストしてみました。2個 RAID 0 にしても FlashPoint β3 patch 1 は正常に作動し、Random Write 4KB は、なんと38.19MB/sにもなりました。実用的にも、すばらしいキビキビ感で、私のシステムではRAIDの場合でもデフラグは可能でした。バックアップをとったり復元したりにも全く問題がなく「これは速い!」と思いました。

B-4 FlashPoint β4 patch 1 (2009年5月1日公開)
 CrystalDiskMark (Silicon Power SP032GBSSD650S25 32GB×2 RAID 0 SATAUでボードに接続)

ほとんどの項目で β3 patch 1 より速度が落ちています。私のシステムの場合は β3 patch 1 で問題がないので、β3 patch 1 を使うことにしました。

B-4 FlashPoint β4 patch 2 (2009年5月3日公開)
 CrystalDiskMark (Silicon Power SP032GBSSD650S25 32GB×2 RAID 0 SATAUでボードに接続)

2009年5月3日 FlashPoint β4 patch 2 も公開されました。これも、まだ起動などでエラーが出て不安定という意見もありますが、私のシステムの場合にはしばらくテストしてみた限りでは何も問題はありませんでした。ベンチの結果では、FlashPoint β4 patch 2 では FlashPoint β4 patch 1 とほとんど同じ速さになりました。私の場合はOSがちゃんと起動しましたが、起動できないという方もいらっしゃいますので、安定している方を選択すればよいでしょう。

JMicron 製「JMF602」搭載のSSDは、Intel、Vertex、SamsungのSSDの様に速度低下しないので、FlashPointでプチフリが回避できて、低価格で、高速性能も維持できるという点で、再度、JMicron 製「JMF602」搭載のSSDがとても気に入りました。特に FlashPoint β3 patch 1 で RAID 0 にした時が最高でした! (CDM B-3)


今回のベンチマークテストはファイルシステムをFAT32にして行ったが、今回の実験システムではファイルシステムをNTFSにした場合とFAT32にした場合ではFAT32の方が高速であったので、その実験結果は「NTFS vs. FAT32」のページをご覧下さい。


§2. 実用テスト (SSD Installation to PC)

次に実験用のデスクトップパソコンで、
CSilicon Power SSD (SP032GBSSD650S25)単体をシステムドライブに用いた Windows XP の起動テストと
DSilicon Power SSD (SP032GBSSD650S25)2個を RAID 0 にしてシステムドライブに用いた Windows XP の起動テスト
を行った。

このテストで使用した実験用デスクトップパソコンのスペックは上の実験@Aで用いたものと同じで次の通りです。
 CPU: Core 2 Duo E8600 3.33GHz, 1333MHz FSB, 6MB L2 cache
 Memory: Samsung DDR2 PC6400 2GB × 2枚
 Chipset: intel P45/ICH10R
 Mother board: GIGABYTE EP45-DS3R
 Graphic card: GIGABYTE GeForce 7300GS (nVIDIA 7300GS)
 OS: WinXP SP1

CSilicon Power SSD (SP032GBSSD650S25)を単体で SATAU3Gbps(300MB/sec)にてマザーボード GIGABYTE EP45-DS3R に直接接続して Windows XP の起動テストを行った結果:
UltraATA133(133MB/sec)接続の Hitachi の160GB 7200rpmのHDD (Hitachi HDS721616PLAT80)にて Windows XP のOS部分の起動時間はスタートアップ内のファイルが開くまでに32秒でカーソルの右下の砂時計が消えるまでに36秒であったが、Silicon Power SSD 単体ではスタートアップ内のファイルが開くまでに25秒でカーソルの右下の砂時計が消えるまでに30秒であった。
Silicon Power SSD で元のHDDを換装することによって Windows XP のOS部分の起動時間は、スタートアップ内のファイルが開くまでに7秒間短縮(21%短縮)され、カーソルの右下の砂時計が消えるまでに6秒間短縮(16%短縮)された。

DSilicon Power SSD (SP032GBSSD650S25)を2個用いて、GIGABYTE EP45-DS3R 内蔵の RAID 機能で「RAID 0」を構築し、各SSDはマザーボードに直接 SATAU3Gbps(300MB/sec)で接続して Windows XP の起動テストを行った結果:
UltraATA133(133MB/sec)接続の Hitachi の160GB 7200rpmのHDD (Hitachi HDS721616PLAT80)にて Windows XP のOS部分の起動時間はスタートアップ内のファイルが開くまでに32秒でカーソルの右下の砂時計が消えるまでに36秒であったが、 2個の RAID 0 の Silicon Power SSDではスタートアップ内のファイルが開くまでに18秒でカーソルの右下の砂時計が消えるまでに23秒であった。
2個の RAID 0 の Silicon Power SSDで元のHDDを換装することによって Windows XP のOS部分の起動時間は、スタートアップ内のファイルが開くまでに14秒間短縮(40%短縮)され、カーソルの右下の砂時計が消えるまでに13秒間短縮(36%短縮)された。
i-RAM (GC-RAMDISK)2個で RAID 0 を組んで同様のテストをしてみたところ、スタートアップ内のファイルが開くまでに22秒でカーソルの右下の砂時計が消えるまでに28秒であった。2個の RAID 0 の i-RAM で元のHDDを換装することによって Windows XP のOS部分の起動時間は、スタートアップ内のファイルが開くまでに10秒間短縮(31%短縮)され、カーソルの右下の砂時計が消えるまでに8秒間短縮(22%短縮)された。
2個の RAID 0 の Silicon Power SSDで 2個の RAID 0 の i-RAM より Windows XP のOS部分の起動時間が短かったことは、ベンチマークテストの結果で劣る 2個の RAID 0 の Silicon Power SSDがより好成績を上げたという点でやや意外であった。実際に web閲覧などに使用した体感速度については 2個の RAID 0 の i-RAM の方が僅かながらいいような感触であった。(プチフリーズはなかったが、i-RAM の方がなめらかであった。)

最後に、SATAのHDD内蔵の DELL Vostro 1400 に、Silicon Power SSD (SP032GBSSD650S25)を単体で元のHDDと置換えて Windows XP の起動テストを行った。

このテストで使用したノートパソコンのスペックは次の通りです。
 DELL: Vostro 1400
 CPU: Celeron 540 1.86GHz, 533MHz FSB, 1MB L2 cache
 Memory: ADATA DDR2 PC2-6400 2GB × 2枚
 Graphic card: Intel IGMA ×3100 内蔵グラフィック
 OS: WinXP SP2

ESilicon Power SSD(SP032GBSSD650S25)を単体で DELL Vostro 1400 に SATA 接続で install して Windows XP の起動テストを行った結果:
SATAT1.5Gbps(150MB/sec)接続の Hitachi の160GB 5400rpmのHDD (Hitachi HTS542516K9SA00)でスタートアップ内のファイルが開くまでに 22秒でカーソルの右下の砂時計が消えるまでに24秒であった。

バックアップファイルを Silicon Power SSDにコピーして Windows XP の起動テストを行ってみたが、起動して OS が一旦立ち上がって Windows のロゴの画面にまで進み、一瞬青色のエラー画面になり、Windowsが再起動して、その後は、通常モードで再起動してもセーフモードで再起動しても、これと同じことの繰り返しであった。
また、Windows XP を新規にインストールしようとしてみたが、「このディスクにはアクセスできません。」というメッセージがOSインストール中に SSD をフォーマートするところで出て次に進めず、新規インストールも不可能であった。
結論的には、Silicon Power SSDを DELL Vostro 1400 のノートパソコンに Windows XP をインストールしてシステムドライブとして使用することは、相性問題で不可能であった。

SSDとパソコンもしくはOSとの相性不良問題としては旧式のパソコンでのトラブルや、ベンチのデータから最新と考えられるパソコンでのトラブルを記載しているサイトもある。

上記の実験はこのホームページを最初にアップロードした2008年12月12日の数日前に行ったが、後日(2009年3月22日)、 DELL Vostro 1400 のノートパソコンに Silicon Power SSD をシステムドライブとして用いて Linux ubuntu をインストールしてみた。今度はデスクトップと同様に簡単に15分20秒でインストールできました。起動時間は、BIOS画面終了後、火星の表面のような ubuntu のデスクトップ表示までが24秒で、有線ネットワークの接続が確立したことを示す表示がでるまでが44秒で、円形のカーソルが矢印に変わるまでが50秒であった。
YouTube の閲覧などもとても軽快にできて高速であった。
ノートパソコンの作動音は無音になった。(サウンドカードのドライバーはもちろん機能していて音楽などは楽しめます。)

Silicon Power SSD をデスクトップパソコンで用いたときのすばらしい性能を考えれば、今後 SSD はパソコンのメイン・ストーリッジ・デバイスになることは十分予測できる。SSDの問題点今後の展望についてはそれぞれのリンクをクリックしてください。

相性問題解決と不良ブロックを正確に除去する技術が確立されれば SSD の時代が到来することが予感される。


(2010年11月22日追記: 当時は32MB以下のSSDしか持っていなかったが、後日、大容量のSSDを用いて元のHDDのクローンSSDを作ってみると大容量SSDでは起動し、その大容量SSDでOSのパーティションのサイズを32MB以下に縮めて再度Silicon Power SSDにコピーするとちゃんとWindowsも起動するようになった。)